迷いが出ると両建パッチ上値注意下値警戒 (2017.09.19)
昭和の風林史(昭和五四年九月十一日掲載分)
大局は売りで 上値注意下値警戒
◇…五千五百円を買うようなら
六千円抜けに走るのが相場だ。
そのあたりは誰でも今は売りたい。
「今宵又人待心ちちろ虫 はん」
◇…立春から数えて、きょうは二百二十日目。
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昭和の風林史(昭和五四年九月十日掲載分)
線型買い示す だが大勢はまた別
◇…小豆の線型は買いになっている。
短期的には買いでも面白いが、
大勢となればまた別だ。
「中腰の唐黍焼に昔あり 桂郎」
◇…小豆相場に対しての人気は弱い。
しかし相場は強くなっている。
線型も買いを示している。
この強いのは、静岡筋などの筋ものが
先限を強気しているからだと受け取っている。
◇…目下のところ短期勝負なら
相場の意外性を期待出来る市場環境とも言える。
◇…それは
(1)秋の需要期で値の安い(北海道産に比較して)
輸入小豆の売れ行きがよい事。
(2)輸入物の端境期で、商社の売り物も出ない。
(3)相場内部要因としては人気が弱くなり、
先限など安値を売り込んだ(自社玉は買いになった)。
(4)ケイ線が買いを示し、
また東西の取組みが漸増傾向である。
(5)鳴りをひそめていた静岡筋が強気姿勢になった。
◇…だいたいそのようなところである。
◇…相場地合や人気動向からいえば、
次のような現象に気くばりしなければなるまい。
(1)戻り売り人気が強いのに相場地合が締っていく。
(2)取組みが漸増する。
(3)産地の刈り入れ進行
(早生種は、すでに収穫が始まっている。
例年より10日ほど早い。
これは早生種のウエイトが
六割を占める帯広地区だけに、
早霜がくるのが早いか、
収穫が早いかの競争になる)。
(4)中国小豆の北京商談の推移、台湾小豆の動向。
(5)そしてホクレン等のヘッジと、
取引員自社玉のポジション動向。
◇…思うのであるが、
この先、まだ強張るとしても短期決戦であろう。
仕手筋が積極的に煽りをかければ、
二万六千円の相場は付くかもしれない。
◇…それからあとは、産地の売りや、
輸入商社の先回りしたヘッジが激しくなるだろう。
◇…北海道の小豆生産者にとっても、
出来秋の高値は非常に喜ばしい事で、
一応は売り繋ぎをかけよう。
◇…大局的な需給事情は
本年の収穫が一応九十五万俵として、
言われるように繰越在庫が
五十万俵ないし五十五万俵なら、
あとのファクターは輸入事情という事になる。
◇…そのような事から、
上値を二万五千五百円あたりと見ていて、
仮りに踏み上げや、
仕手策動で二万六千円の相場になっても、
大勢としては売り方針が多分御正解だと思う。
◇…要するに目先強ければ、
売り場を見つけるつもりでよいと思う。
●編集部註
大局的な方向性を把握した上で、
ちょっとした短期反転場面があると思い、
軽い感じで逆ポジションを取るも
これが大曲がりし、
切るに切れずに因果玉を生み出してしまう。
昭和の風林史(昭和五四年九月八日掲載分)
最終コーナー 意外性狙うもよし
◇…大勢売りの中の中勢買い
という相場の位置づけに変わる可能性を
小豆相場は示唆するかもしれない。
「いまはただ眼白の鳴ける霧の木木 秋桜子」
◇…もう一と声、千丁高くなったら男の子。
五千円が六千円。
このまますぐではなかろうが、相場が強張ると、
必らず鎌入れ不足だとか、早霜懸念などの材料が、
あとから追いかけてくるものだ。
◇…下から陽線三本食い込むかたちは買い線である。
秋の需要期、輸入小豆の売れ行きがよい。
値段が安ければ、
今は物が売れなければおかしい時期で、売れて当然。
◇…10月限の日足線は、4日、5日の線が、
いわゆる「捨子」になっている。
線一本で強弱つけるなら、
6日の陽立ちは、まだ売るには早い。
◇…久しぶりで静岡筋が買ってきた。
腐っても静岡筋というわけかS高する限月もあって、
強気側は爽快な気分にひたった。
◇…先限の二万四千円というあたりは、
たとえ売っても下値目標のない、
つまらぬ売りだった。
◇…ともかく千丁でも戻してくれたらという、
待ちの姿勢、折りよく五千円台乗せして、
さあここから
五百円も引かされる気で売っていこうと、
新規が出るのである。
◇…一方、強気側は、まだこの相場死んでいない。
戻り売り人気が強いようだと
二万六千円に突っかける男の子、
相場の意外性を見せるかもしれないと期待するのだ。
◇…八月7日から九月4日まで
1月限一代足で三千七百十円安。
節足新値11本の下げだった。
三分の一戻し千二百四十円。半値戻し千八百六十円。
そのどちらも、あってよし、なくてもともと。
◇…要は、違作申し立てがあるかないか。
きつい霜で被害が大きくひろがれば
1月限で六千四百円、
いわゆる三分の二戻しだってなしとしない。
◇…普通一般の考え方なら、今の環境から、
五千円台は、少々引かされるつもりで売り上がれば、
別条ないというところである。
◇…相場の意外性を信じ相場にロマンを求める人なら
最終コーナーの降霜一発賭けるのも、
可能性の問題である。
戻り売り人気が強いのに
相場の地合が締るという現象があったり、
取組みが再び漸増傾向になったり、
自社玉ポジションが変化しかけたり、
そのような傾向が顕著になれば、
あるいは、もう一相場残すかもしれない。
その場合、
大勢売りの中の中勢買いという位置づけになろう。
●編集部註
当時の日足を見ると、
8月中旬に十重二十重のマドが開いている。
ロマンティストは
このマドに向けた戻りを夢想する。そ
こに売り方の釣り野伏せが仕掛けてある。
「大江山降り出す雨に桔梗濃し 青邨 (2017.09.13)
昭和の風林史(昭和五四年九月七日掲載分)
売り場を狙う 上には繋ぎ玉待機
◇…小豆相場は霜の材料などで
買い人気が沸騰するような場面を
待って売れば判りやすいと思う。
「大江山降り出す雨に桔梗濃し 青邨」
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