証券ビュー

森羅万象

節分まで鳴かざれば鳴くまで待とう (2018.01.22)

昭和の風林史(昭和五七年一月十二日掲載分) 
節分までは上昇トレンド
ひたすら待つだけというのも相場奥の細道。
二千五百円以下を買いたいが、その値はない。
小豆相場は暮の16日に四千円を、
ちょっとだけ抜いたあとは肩下がりで
三千円までの千円幅を押したり突いたりで、
これを引き継ぎ足でみると
小さな山、小山ができている。
弱気している人にとっては、頭が重いと見る。
名のある買い方が勢揃いしていて、
なぜ上に行かんのだ?―と。
それは
(1)あわてることはない(という買い方の気持)。
(2)六本木筋に、うまいところを
食われてしまうのも馬鹿馬鹿しい。
(3)流れは変わらないのだから安値を仕込みたい。
―そのような気持ちがあると思う。
千円下の三万二千円割れがあれば、
誰だって買いたいのでなかろうか。
千円上の三万五千円は一応利食いして、
六千円に向かっては売り上がりたい。
上昇トレンドは破れていない。
これは春相場における買い方努力相場で、
昨年春と同じパターンである。
昨年春の頃と値頃水準が違うではないか
というかもしれないが
今年は輸入調節という政策相場であるし、
市場のボリウムが違う。
さすが、ここにきて三万円割れだとか、
二万八千円目標という声を聞かなくなった。
段々相場の構造が判ってきたのであろう。
しかし口には出さなくても
頭のすみのほうに、
相場というものは、
そのようになった時が怖いのだ―と、
万が一の事を考えている人は多い。
でなければ売り玉辛抱できないだろう。
買い方の、いつわりない考えとしては、
六本木筋が降り
(投げ)てくれないかである。
千円下げでもよい。
投げ出してくれたら
判りやすい動きになるが。
ところが、六本木筋だって、
安けりゃ買いたい。
だから動きが今みたいになってしまう。
鳴かざれば鳴くまで待とう―である。
●編集部註
 ここで登場する「六本木筋」は、
当然今の六本木とは違う。
1980年代の六本木である。
今の東京ミッドタウンのあたりは防衛省があり、
六本木ヒルズのあたりは、
現在の建物の一つ前の建物を建設中だったはずだ。
 そのビルに六本木WAVEというレコード店と
シネ・ヴィヴァン六本木という
映画館が入っていた。どちらも83年開店だ。
 ヒルズの前にはある商品先物会社の名前が
大きくかけられていた。
 それにしても六本木は相場に何か縁があるのか。
不動産投機でも死闘が繰り広げられている。
 「六本木筋」は、今もかくしゃくとしておられる。

相場環境の変化 ポジション後追い (2018.01.19)

昭和の風林史(昭和五七年一月十一日掲載分)
単純明快買うだけである
判りやすい小豆相場だと思うが、
考えすぎるとこれが判らん。
あとは意地がつくだけ。
安値の売り玉を持っている人にとっては、
三万円大台割れは、もうないだろうが、
せめて三万一千円あたりに崩れないだろうか
という心境であろう。
当初は二万八千円がある―と考えたり、
時により二万六千円も―
などと思ったこともあろうが、
需給が調節され、
政策がらみの輸入作業を見ていては、
三万円割れは、もう考えられない。
要するに相場の構造変化である。
一方、強気側の考えの芯は
三万五千円中心の、上二千丁。下二千丁。
このゾーンにおける相場というふうにみて、
春相場は三万五千円ないし
六千円あたりに目標を置いている。
ということは三万三千円台は
安心買いできる水準だし、
三千円割れは、絶好の買い場なのだ。
中国にしても台湾にしても
相場を崩してまで売ろうという気など毛頭ない。
まして輸入商社も問屋も強基調が、
なによりも好ましい。
役所また作付け増反、神にも祈る気持ちだろう。
相場の値崩れ、暴落を願うのは、
あに売り屋の投機筋だけである。
このような簡単なことが判らん。
それは考え過ぎるからだ。
相場する人は実にいろいろな事を考える。
しかし考え過ぎて、それにとらわれるから
環境の変化に対応できず、
ポジションの転換が後手、後手になる。
将棋の加藤一二三氏は五百手ぐらい考えるが、
要するに最初のひらめきが最善の手になりやすい―と。
相場もそうだと思う。
引かされた玉を長期間持つと第一体に悪く、
良い考えも出ず、
あとは意地だけついて傷を大きくするものだ。
●編集部註
 このセクションを担当していて
何が面白いかというと、
平成の御代で時の人となっている人物が、
三十数年前の文章の中で登場してくる場面である。
 仮に筆者がタイムスリップして、
この当時の人達に「加藤一二三は将来、
ひふみんの愛称でテレビでマスコット的な扱いを受けて
引っ張りだこになり、歌手デビューして、
恐らく自分の孫よりも若いアイドルに囲まれて
歌番組に出演するよ」と言っても
信じてもらえないどころか、
確実に狂人扱いされるだろう。
実際、棋界のレジェンドがこんな状態になるとは、
全く想像だにしなかった。
 落語の世界に「長生きも芸のうち」
という言葉があるという。
十四歳の藤井聡太四段に敗れてしまった加藤一二三九段は
落語家ではないが、棋士引退を表明した後は
結果的にタレントとして2度目のブレイクを果たす。
長生きはするものである。

崩れはない 春の相場は押すだけだ (2018.01.18)

昭和の風林史(昭和五七年一月九日掲載分)
崩れはない。押すだけだ
大きな上昇トレンドの中にある小豆相場は、
弱気の考えているような崩れはない。

>>続きを読む

上げ賛成 材料の枝葉に囚われず (2018.01.17)

昭和の風林史(昭和五七年一月八日掲載分)
来週は弱気が首をひねる
皆々、すべて、オール、
上げ賛成の小豆相場である。

>>続きを読む

押し目の軟弱地合 新規買いも可 (2018.01.16)

昭和の風林史(昭和五七年一月七日掲載分)
今週の安値は絶好買い場
人気を弱くしておいて
来週から相場は高くなると見る。

>>続きを読む