証券ビュー

森羅万象

政策は信ずべし されど信ずるべからず (2018.03.13)

昭和の風林史(昭和五七年二月二十四日掲載分) 
納会つれ高の先限は売り
前二本は需給タイト気味で締まっても
先の限月は、そうもいくまい。
次期枠多い模様。
東京金取引所の第二回、第三回の会員資格審査で、
第一回の時は審査基準が厳し過ぎたから、
今度は申請があって基準にそうところは、
どんどん認め、24日の理事会にかける。
なお、第四回は三月三日を予定しているが、
第二次までに決まった会員の中から、
いよいよ取引員を
ピックアップ(26日取引員申請受け付け)し、
これがセレクトされて役所に上がる。
だから、会員資格を得られなかったところは、
当然、取引員の資格を得る権利を持たない。
かなりの数の会員が
狭き門に最後の追い込みをかける。
その熾(し)烈さは言語を絶するという。
小豆相場のほうは、
『農産物の自由化これ以上は困難』
鈴木総理発言で買い方は愁眉をひらいた。
政治家の発言は掴みどころがないから難かしい。
〔―だから政策は信ずべし、されど信ずるべからず〕
という金言が生まれる。
小豆当限は高納会という。
物があって物がない、
これは買い方の制空権下にあるからだ。
中国小豆の成約進行、
そして次期枠の早期発券機運。
買い方は、
もう千丁ほど居所を上に持っていきたい。
しかし六千円あたりは赤ランプが点滅する。
政策は信ずべし、されど信ずるべからず。
畑振の癇癪玉を破裂させてもいけない。
そこが難かしい。
商いのほうは白らけたふうで薄い。
手口の薄い節で買い方が煽って抜ける。
売っている人は、これが強い相場に見える。
実と見せて虚。虚と見せて実
孫子の兵法だが、実勢は果たして強いのか。
判らん判らんもう判らん―は
金の取引員の顔ぶれが決まった時に
落ちたところが発する言葉だが、
小豆相場の弱気がいま、
その言葉を口にしだした。
●編集部註
 虚と見せて実―。
 江戸川乱歩の名言の中に
「現世(うつし世)は夢、夜の夢こそ真(まこと)」
というものがある。
 小豆のような生産地市場が開店休業状態になって、
為替の影響をまともに受ける消費者市場中心の
取引になった今の日本の商品先物市場は、
草木も眠る丑三つ時こそが真の値動きになっている。
 先日、為替会社のオンラインセミナーの講師として
カメラの前に座ったが、会場入りは夜21時。
毎月、雇用統計の日はメディアも含め
各所で識者がコメンテーターとして登場する。
これも同じ頃にスタジオ入りする。
 昔と違って取引時間が格段に長くなった。
為替取引では24時間を3分割した8時間足が
分析チャートとして存外有効になっている。

迷わば休め 前の高値近辺は要警戒 (2018.03.12)

昭和の風林史(昭和五七年二月二十三日掲載分) 
前の高値近辺は重要警戒
三段上げに入ったと見る側と、
戻り天井取りにいくと見る側とで
強弱は二分される。

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相場に呼吸あり 目先買うほど重く (2018.03.09)

昭和の風林史(昭和五七年二月二十二日掲載分)
目先買うほどに重くなる
やみくもに買えばよいというものではない。
相場に呼吸あり。下げるところは下げるべし。
金取引所の第二次会員に落ちたら、
もう駄目だという悲愴感が取引員経営者にあって、
業界の空気は異常だ。すでに第一次会員決定し、
取引員資格も、まずまず大丈夫だろうというところは
一歩、二歩と駒をすすめている。
それにしても足切りは
当業者資格の売買実績(量)と回数など、
建前としてのふるい落としの口実が
実に巧みに使われ、
店によってはこれが無念の涙である。
さればと強行突破するにも時間切れ寸前。
状況把握に、とんだ死角があったようだ。
泣くに泣けないくやしさを
ぶちまけるのである。
小豆相場のほうは、
中国小豆の成約は
量的に相場を圧迫するものでないという空気だ。
五千円以下は立ち入り禁止という強気のムード。
五千円割れを大衆筋が少々売り込んだ格好。
これがはまったみたいだ。
買い店のボスたち強気氏は
『風林が弱気を書けば書くほど、
買い方のあと押しするようなもので、
弱気を書くのは、強気の味方である』
と皮肉られる。
逆も真なりで確かにそれはいえる。
市場のパワーは強気の制空権下にある。
だから安値を売ると掴まる。
さりとてどうだろう、
六千円を抜く時期ではない。
当限は、これは別だ。
次期枠ゆとりある金額で早期発券説は、
とりもなおさず自由化の歯止め
という政治的含みもあろう。
相場としてはこのあたりで保合いに入り
日柄を横に食うと、あとが重くなる。
四千八百円処の急所は
上にもっていってから落とさない
と割りにくいし六千円の傘を突き抜けるには、
四千円そこそこまで落とさないと上げられない。
上げる相場というものは
必らず下げるべきところで下げている。
それは去年の小豆を見てもいえる。
今は下げる時だ。
●編集部註
 まだ、筆者が商品会社で
営業マンとして働いていたころ、
上記のような風潮が実際にあった。
 後々、罫線で振り返って
大きな流れを見ると指摘は当たっているのだが、
なにせこちらは戦場の最前線に立つ一兵卒。
局地戦やゲリラ戦を戦っているので
目先の数字しか見えていない。
 短期売買中心の相場師と
長期売買中心の投機家は、
人間であるという共通項以外、
目の前の相場に対する思考と指向が全く違う。
別の生物と思った方が良い?。
その昔、古参の相場師に
こう言われた事を思い出した。
そうなると、
市場には短期の買い方と売り方、
長期の買い方と売り方の
4タイプの取引参加者がいる事になる。
存外、自分がどのタイプか判っていない人が多い。
筆者自身がそうであった。

急所の反撃 これから追い込み (2018.03.08)

昭和の風林史(昭和五七年二月十九日掲載分) 
急所の反撃だが戻り売り
買い方の反撃である程度反発するが、
買っただけ悪くなりはしないか。

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あの時と今は違う 悪さは尾を引く (2018.03.07)

昭和の風林史(昭和五七年二月十八日掲載分) 
悪さは尾を引いて長びく
下げは今週一杯だという見方が多いから、
悪さは尾を引いて長びくかもしれない。

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