証券ビュー

森羅万象

ペナント 依然春の天井圏内 (2018.03.20)

昭和の風林史(昭和五七年三月二日掲載分)
依然春の天井圏内にあり
三角旗(ペナント)は上か下に離れる信号
春の需要一巡で相場はひと息入れよう。
小豆相場の新ポの動きは、
今月相場の運命を暗示しているみたいだった。
二月10日と23日の罫線高値を結ぶと
肩下がりの斜線になる。
二月17日と25日の安値を斜線で結ぶと、
ここに綺麗な三角旗ができる。
アメリカの罫線では、
どちらか(上か下)に離れるところだから
ペナントは用心しろと教える

強気は五千円以下はあり得ないという信念で
買っている。
弱気は六千円以上はないと見ている。
二月中の相場はこの千円幅の圏内で推移したが
三月は、そうもいくまい。
ものごとにはバランスというものがある。
罫線は、バランスの美を保つ芸術である。
線を上に持っていって二月10日の高値を抜くと、
これは七千円に行く可能性甚だ大なり
と判断するのが線の美学である。
逆に17日の安値(大阪なら四千八百円)を
割ってくると、
二月中に取り組んだ買い玉が悲しみになり
四千円そこそこまで、
バランス安定のために下げると
見るのが過去の経験である。
過去の経験といえば、
小豆には小豆の習性がある。
去年は二月24日(そしてもう一度四月30日)に
春の天井を打った。
その前の年は三月5日に春の天井。
そのもう一ツ前の年(54年)は二月16日。
過去五年間、二月か三月に天井している。
今年も多分似たような波動になるだろう。
これは時間の重圧である。
また、春の需要が一巡したあとの
相場の呼吸でもある。
人為の及ばざる世界にわけ入るのだ。
ペナント(三角旗)に注目。
●編集部註
 分け入っても分け入っても青い山―と、
山頭火の句のような
相場展開には決してならない。
保合いは必ずどこかで終わる。
 もっとも心理面は別だ。
ど高値で買いを作り、損切りせず、
我慢に我慢を重ねたその果てに、
ど安値で売りを作って両建てにすると、
分け入っても分け入っても相場心理は
捨てきれない荷物のおもさまへうしろ
となってしまう事はあるだろう。
 三角保合いは、大きなものをトライアングル、
小さなものをペナントと呼ぶ

どっちだって良いじゃないか、
という方もいらっしゃるだろう。
ただ前者と後者とでは放れた時の影響が違う。
この2月から3月頭にかけての保合いは、
ペナントであったかも知れない。
しかし、そこから春にかけて
更に大きなトライアングルを形成してゆく。
 山道は身が軽い方が楽と相場が決まっている。
しかし、ペナントからトライングルへの移行期
しばしば「捨てきれない」荷物を抱えてしまうのだ。

つたい歩き のたりのたりの春の海 (2018.03.19)

昭和の風林史(昭和五七年三月一日掲載分)
春なれや春眠暁を覚えず
強気は強気。弱気は弱気。
のたりのたりの春の海だが、
閑な時ほど油断は禁物である。
落花生業界は乱売・投げ売りだという。
自由化まぬがれずと見ている。
小豆の世界は自由化なんともいえないという。
閑な市場になった。
期近限月を盛んに買う手筋が目立つぐらいだ。
週間棒は皮肉な線だ。
線といえば、トレンドも微妙、
微妙のところを、つたい歩きしている。
それはまるで誰かが
線づくりをしているふうでもある。
いま一歩のところで
上昇トレンドを踏みはずすかと思うと
上に持っていく。
次期枠については
通常・大型が言われているが、
二千万㌦程度では三万五千円以下の値は
依然聖域であるという人気。
売って駄目なら買うしかないが、
買っても駄目だから商いが閑になる。
春日遅遅として進まず、
うららかな顔で黒板の前に
閑な相場を見ていても新規は出ない。
春宵の一刻は価千金であり、
春眠は暁を覚えず
六千円は傘。五千円は抵抗。
この千円幅の中にいる時間が
長くなれば相場は悪い。
春需要の手当ては終わっている。
現物ザラ場の売りものは嵩むが買い手がない。
強くみえるのは玉負けしている定期の期近だけ。
しかしこれも、月々五千㌧の輸入が続けば
知らず知らず重さがのしかかる。
漱石は猫はねずみを獲るのを忘れて―と書いたが、
いまの相場を見ていると、
そのようなふうに感じる。
持ち下げならず、煮ても焼いてもであり、
箸にも棒にもかからずとなる。
しかし、これも相場、あれも相場。
流れる水は先を競わず
待てば海路の日和かな
相場金言にもある。待つは仁―と。
●編集部註
 日本国内の作家の著作権は死後50年。
従って、
夏目漱石の著作権はとうの昔に切れている。
 青空文庫は、
著作権が切れた作家のテキストを
公開した電子図書館で、
漱石の作品はここで読む事が出来、調べてみた。
 猫が出て来るので
吾輩は猫である」かと思ったら
草枕」であった。
 〝春は眠くなる。猫は鼠を捕る事を忘れ、
人間は借金のある事を忘れる。
時には自分の魂の居所さえ忘れて正体なくなる
〟。
 ここに〝智に働けば角が立つ…〟で始まる有名な
冒頭のくだりを加えると、
眼前の相場に何を言いたかったかが判るかと。
 著作権が消え、
本年1月から著作が自由に使えるようになった人物の中に、
漱石とよく対比される森鴎外の
長男が入っているというのが面白い。 
彼以外に「二十四の瞳」の壷井栄
「樅の木は残った」の山本周五郎
今年著作権が消えた。

現物保有者は強い 思わぬ伏兵 (2018.03.16)

昭和の風林史(昭和五七年二月二十七日掲載分) 
下げる時は一発である!!
ファンダメンタリストは理路整然と曲る。
という地点にさしかかっているふうである。
相場師は過去を、
ふり向かない男であるが社会の仕組み上、
窓をあけて突き進んだところは
嫌でも埋めにいかなければならない。

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気づいた時には 値頃の裏に落し穴 (2018.03.15)

昭和の風林史(昭和五七年二月二十六日掲載分)
気づいた時には落しあな
知らず知らず安心強気になってしまったその裏側の
落とし穴というものは、案外深いもの。
相場が強いということが人々の印象に定着すると、
少し安いと買いたくなるし、

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ロジック積上げ横目 小石崩れ (2018.03.14)

昭和の風林史(昭和五七年二月二十五日掲載分) 
先のほうの限月は重たい
自由化問題と次期枠問題。

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