証券ビュー

森羅万象

相場が勝手に走る 強引すぎた反動 (2018.05.30)

昭和の風林史(昭和五七年五月十八日掲載分) 
相場が勝手に走るのよ
相場が勝手に走りだす。
上昇トレンドに乗っているからだ。
叩いた分の倍返しへ。
週明けの小豆は
買い方もびっくりする騰勢で
S高という速い失地回復だった。
陰線三本の叩き込み。
これを14日下から掬いあげて
週明け夜放れ高してS高は、
要するに叩き過ぎの反動。
おまけにWボトムの二点底。
売り屋は全部?まって初夏の悪夢だった。
取り組みは
安値時(4日)東西合計六万二百枚が
六万九千枚にふえている。
これは三月中旬
四千五百円当時に見せたボリュームである。
去年もそうだった。下げは短期間。
すぐに切れ味のよい上げを展開した。
それは上昇トレンドに乗っているからだ。
まして二点底して若い相場だけに
叩いた幅の倍返し。
四千二百円あたりまでは自律反騰である。
売り方のトークは
(1)当限大量買いはもってのほかである。
(2)逆ザヤけしからん。
(3)六本木の大量買いは建玉違反でないか。
(4)これは買い占め、買い煽りだ。
 ―取引所や役所は黙っているのかと、
かなり熱い。
確かに強引すぎた。
買い方にも反省すべき余地十分だ。
しかし、三晶の売りだって、
ヘッジなら高いところで静かにやればよい。
あの売りようはヘッジャーではなく
相場崩しの叩き屋のやり方だという。
買い方も必死、売り方も必死。
相場は勘定と感情の戦いだから
エスカレートすれば熱くなる。
買い方は役所や取引所の心証を
悪くしては不利だから、自粛すべきだろう。
目には目を、歯には歯をでは
市場が破壊される。
そんなに強引にやらなくとも相場は若いし、
自律反騰の力もつき、
あとは売り屋の踏み上げで
高くなるしかないのだから、
三千円台の庭の中で少し時間を稼いで
世間が相場についてこれるようにしないと、
大成することはできない。
●編集部註
 すべてのジャンルはマニアが潰す―。
実業家、木谷高明の名言である。
 証券マンであった彼は、
退社してベンチャー企業を立ち上げ、
今も全国展開している
アニメ、コミック、ゲーム販売店の
「ゲーマーズ」を開店させる。
その後
カードゲームを手掛ける「ブシロード」を設立。
同社は後に新日本プロレスのオーナー企業となる。
件の明言はこの時生まれる。
 新参者や初心者をその道のマニアが駆逐し、
排他的な世界になるケースは
どのジャンルにもある。
商品先物業界はその典型例であったと言える。
 木谷は当時の若手エースたちと
二人三脚で新規ファン開拓に粉骨砕身し、
見事業績を回復させる。

急ぎ働き 自分の力で自分が負ける  (2018.05.28)

昭和の風林史(昭和五七年五月十七日掲載分) 
Wボトム叩けば狂騰絶対
この小豆は買い屋の勝ちである。
青田底を叩けば
相場狂騰は自然の成り行きである。

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材料と相場は別 甘く見ていると肝を冷やす (2018.05.24)

昭和の風林史(昭和五七年五月十三日掲載分) 
すべて順調予定のコース
日足二段上げに向かう。
押すべきところで押す相場は冷静な証拠。
売り屋は熱くなる。
小豆は買い方の、
はしゃぎ過ぎに水をかけた格好。
相場の敵は、むやみに喜ぶな―。
急上昇幅の五分の一。四分の三。三分の一。
二分の一という押して止まる節々がある。
基調出直りとみる以上、
(1)安くても
商いの薄い節であれば心配せんでよい。
(2)押してきて
売り屋のトークが熱くなるようだと
必らず急反発がくる。
(3)トレンド調整で
今後も上伸しすぎると押し目を入れて
時間待ちをする。
(4)中国小豆商談に関する材料は
相場とまた別の話。
材料と相場は別。
この材料と相場は別というのは
相場の居所や熟年か老境か、
それとも青雲の志を抱く若い相場かで
受け取りようが違ってくる。
今は出直り途上。若い。
(底が入っている)。
それらは取り組みの
内部的変化(出来高の状況)と日柄の移り。
そして人気と相場水準等により
底入れと確信し、
その後のケイ線により出直りと判断した。
だから予定のコースで
駒が勇みすぎれば、そんなにいそがずとも
―と手綱を緩めることになる。
今回の押しで
三千円のハードル越えは楽になった。
線では押した幅の倍返しが初心者コーナー。
人気の弱いが、なによりの宝。
売りたい人、売った人、それぞれ皆、
踏み上げ少尉候補生というわけ。
ともあれ五百円押しで
日足二段上げに向かう。
そして三千五、七百円あたりで
少し早いが弁当にするかとなろう。
日足三段上げは
日のまだ明るいうちに
四千円の峠を越えての旅である。
本当にこの相場を甘く見ていると
肝を冷やすだろう。
レールに耳を当てれば
遠くからくる貨物列車の音が聞こえよう。
●編集部註
 ここから数週間の
相場の動きを先に書いておくと、
3~4営業日ごとに
おおよそ1000円規模の
上下変動が数回繰り返される。
 一般投資家は、
このような上下変動に頗る弱い。
日に日に脱落者が出る。
事実、4月末を頂点に、
1日の出来高はジリジリと減ってくる。
 この手の相場では、
プロアマを問わず
胆力と資金力のある者が
勝利するケースが少なくない。
出来高の減少とは裏腹に、
総取組高は
4月末の3万1000枚レベルから
5月末には4万100 0枚レベルへと
1カ月強で3割増える。
これは、テクニカル的に
内部要因の弱気ダイバージェンス
と呼べる現象である。
 実際、
この相場は6月頭からしばらく保合い、
そこから急落する。

青田底 金魚売りに売りなし (2018.05.23)

昭和の風林史(昭和五七年五月十一日掲載分)
若い相場ついていくだけ
相場が若いということ。
これがなによりの強味だ。
弱気はなにか錯覚しているようだ。

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気を転ずべし 見過ぎるから 肝心のものが見えない (2018.05.22)

昭和の風林史(昭和五七年五月十日掲載分)
弱気は病気でなおらない
弱気がふえる小豆だが、
この相場甘く見たら命取りだ。

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