証券ビュー

森羅万象

トレンド中段の揉み 生き残ること (2018.06.06)

昭和の風林史(昭和五七年六月二十五日掲載分)
買い方守勢で無駄な抵抗
買うほどに下げがきつくなる。
中段での抵抗は日柄で底抜けになる。
怖くない戻りだ。
小豆相場は
大きなトレンドが中段の揉みになって、
これが下に抜けきると
三万円大台なんか問題にならず、
大台割ってから三千丁
という波動に乗ってしまう。
しかし三万一千円を死守すれば
去年の10月、11月安値に対しての
両足つきで青田底型になる。
しかし、いずれにしても今年の場合、
作柄が順調に進めば、
大勢的流れとしては下げトレンドだ。
目には目を、歯には歯を―で
S安にはS高で応戦したが、
買い方は買い玉がふえるばかりだ。
資金においといないとは申せ
これはまるで
隅田川を逆のぼっていく鯨である。
鯉ならば鯉の滝登りといって、
滝を登れば竜になる。
市場規模というものから判断しても、
これだけ肥大した買い玉は、
余程の天運が味方しなければ逃げられん。
まして業界総資本の
利益に反する勝ち逃げなどは、
ありようがない。
われわれは物量を誇ったアメリカが
ベトナムから敗走した現実を
見てきている。
今の小豆の買い方には作戦がない。
ひたすら買うだけでは勝てない。
もう一ツは、
相場にはツキというものが大切である。
去年は、ことごとく買い方にツキがまわった。
今年は、そのツキがもう切れたように思う。
従って自重すべきだ。
3の力が10になるのと、
10の力が3になるのと違いは大きい。
また、攻めと守りの違いが出ている。
買い方は守勢の域を出ない。
守りは攻めの三倍の兵力を必要とする。
S安をS高で斬り返したからよい
というものでない。
納会受けて悪し。
受けずんば更に悪し。
要するに進退きわまっているのだ。
買い方は勝つことよりも
生き残ることを考えるべきだと思う。
強弱自由だが相場は死に体である。
●編集部註
 〝勝つことよりも生き残ることを考えるべき〟
とはけだし名言である。
「死ぬ事と見つけたり」
と格好をつけても一文の得にもならぬ。
 相場とは全く関係ないが
「生きてるうちが花なのよ
死んだらそれまでよ党宣言」

というタイトルの映画を思い出した。
60年代に松竹大船撮影所で
活躍した森崎東という人が監督した、
1985年のATG映画である。
 軽妙な喜劇を撮る職人肌の監督さんだが、
取り上げるテーマが
原発や痴呆など非常に重い。

〝前兆〟 気やすめのとまり木 (2018.06.05)

昭和の風林史(昭和五七年六月二十四日掲載分) 
〝死に体〟になってしまった
買い屋が買って手応えがないことは
死に体になってしまったことを
物語るのである。

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買いの仇花 上値残すがしんどい (2018.06.04)

昭和の風林史(昭和五七年月二十一日掲載分)
上値残すが売り場所狙い
強気のようで強気でない。
弱気のようで弱気でない。
上値残すがしんどくなった。

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売るのは怖い 買うのも、しんどい (2018.06.01)

昭和の風林史(昭和五七年五月二十日掲載分)
ここからは買い屋の器量
ここまでは判る。
問題はこれからの買い屋に哲学があるか?だ。
野武士戦法通用せず。
ここまでは下げの反動を活用して
一気の棒立ち、失地回復、
勢いだったが、

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勢いにつく 相場が言わせている (2018.05.31)

昭和の風林史(昭和五七年五月十九日掲載分) 
暫く三千円台の庭の中で
三千円台になれてくると、
やはり大底が入っているのだな―
と世間様が判ってくる。
相場というものは
強弱論につくのではなく
勢いにつくものである。
材料は、どの程度、
相場が言わせているか
斟酌(しんしゃく)して
考えなければならない。
買い方は三千円台、
まず自分のうちの庭の中。
安値を叩いた売り玉をつかまえて
逃がさぬようにすればよい。
真綿で首を絞めていく。
餌(えさ)も水も不用である。
パラパラと煎れてくる。
買い屋は四千円だ、五千円だと、
いま騒いではよくない。
三千円と四千円のあいだ
で居場所になれてもらう。
本来10日の頭から14日までの下げは
五百円か七百円でよかったのである。
だからあれは叩き過ぎ。
急反騰したのは、
時間を取り戻すためだった。
従って三千五、七百円あたりは、
予定のスケジュールに過ぎない。
これからは作付け動向と天候に関心が集まる。
値の居所にもよるが作付け増反は強材料。
というのも外貨枠が絞られるし、
自由化が遠のき、
北海小豆主導型相場の回復が成る。
安値を叩いた売り屋にすれば、
なんとも腹立たしいことだろうが、
天候相場を控えている時に、
あそこ(千五百円以下)を売るのが間違い。
三万円割れなどという相場は
平年作以上が判ってから先のことで、
相場が老境に入っていなければ、
ありようはずがない。
五月6日青田底。
五月14日駄目底確認Wボトム。
若い相場だし取り組み増大傾向。
あとは二百円、三百円の押しを拾うだけ。
線という線みな買い線だから
あわてることはない。
●編集部註
 すべてのジャンルはマニアが潰す―。
 実際、商品相場は
この典型例であったと筆者は考える。
 ただ、この世界は
初心者だけで成り立つ世界ではない。
本来は、マニアも初心者も
どちらも楽しめるようでないと
いけないのかも知れない。
 今から10年くらい前ののパチンコ業界や
ネット取引が出始めた頃の証券業界、
エンターテイメント業界なら、
宝塚歌劇などがその好例なのではないか
と筆者は考える。
 難しいのは、世代交代の中で
初心者が成長してマニアになり、
次の世代を
駆逐してしまう現象が生じるという点。
このジレンマに陥っているのが
今のパチンコ業界のような気がする。
先般、TVでパチンコの番組を見たが、
設定がどう、確率変動がこうと、
テクニカルな話ばかりでさっぱり分からず、
少し前、注文方法が
ヨコ文字ばかりで分からなかった当業界の事を
思い出してしまった。