証券ビュー

森羅万象

兵站線伸びすぎ 勝敗の決着持ち越し (2018.07.11)

昭和の風林史(昭和五七年六月二六日掲載分)
将棋でいえば指し過ぎか
受けも受けたり御立派である。
しかしこの戦いは勝てない。
流れに逆らっている。
小豆当限納会は俵読みどおり
淡々と表面は納まった。
先月に続いてまたも受けも受けたり、
引くに引けん背水の買い方。
これで勝敗の決着は
七月に持ち越される。

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相場の奥義 相場だけ見る (2018.07.10)

昭和の風林史(昭和五七年六月二五日掲載分)
受けて悪し、受けずば悪し
歩のない勝負だが
引くに退けん買い方の頑張りには驚嘆する。
詮ない突っ張りだ。
小豆は相場だけ見ていると醒めているが、
売り方のトークが熱しているようだ。
勝負ごとは、
なにがなんでも勝たねばならん。
買い方も防戦あいつとめ、
目に見えぬ殺気ただよう中で本日納会。
真相は判らぬが
『富士銀行に入っていた東京重機と旭有機株を
14、16日、野村証券で換金して
五十億円の資金ができた』から
受け代金に心配ない―と、
この業界の情報は、
まるで人のポケットの中を
見透すようなことをいう。
『本田さんは(板崎氏から)
要請があれば十億円ぐらいまで、
めんどうみてもよい』
と考えていました―と。
『ああそれで七、八、九の三本を
買っていたのですか』。
思うのだが、いまの相場は、
いちいち情報に神経をとがらせていたら、
相場の本当の姿を見失う。
相場の奥義は
〝見ざる、聞かざる、言わざる〟。
どんな相場でも常識に戻る。
常識とは需要供給である。
そして日柄だ。
人を見て相場を張るな
という言葉もある。
誰が売っているから買うとか、
誰が買っているから売るとかは
よくない。
相場だけ見る

なにごとにも
毀誉褒貶(きよほうへん)はある。
そのことが判っておれば
付和雷同もしない。
必らず相場の先行きが見えてくる。
その相場の先行きは納会受けて悪し、
受けざれば更に悪し。
買い方は決して
楽な戦いを進めているわけでない。
無理を承知の意地がある。
また、誰だって損するのは嫌だ。
結局これは天が勝敗を決することになる。
畑振を衝いて予備枠を出せとか、
政治家を動かしてどうするとか、
これは感心せん。
『きたない手使いやがって』と
買い方は立腹するのが当然だ。
しかし、相場の敵は
怒るな、喜ぶな、絶望するな
―である。
これは売り方にもいえる。
待てばよいのである。
待てないのは、建玉に無理があるからだ。
崩れるしかないのだから焦るなかれ。
●編集部註
 先般紹介した鍋島高明氏の最新刊
「相場名人/信条と生き方」
(パンローリング)の中で、
今回の記述で登場する人物の一人が
小豆相場に翻弄される場面が登場する。
 平成の御代から、
過去の文章と罫線を
見ているだけでは伝わらぬ、
人と市場のダイナミズムが
この本からは感じられる。
 合従連衡、臥薪嘗胆―。
しばしば風林火山が記事の中で
漢籍を引き合いに出す理由が
何となく判る。
 反知性主義と不寛容が
跳梁跋扈する現在、この記事しかり、
この本しかり、鉄火場の中での
知性と教養は、
緩衝材と同時に爆弾である事を識る。

なにか計算違い玉はほどけていない (2018.07.09)

昭和の風林史(昭和五七年六月二四日掲載分) 
下げエネルギーは超ド級
玉はほどけていないから、
ますます悪くなっている。
下げエネルギーは超ド級クラス。
小豆相場は
激水の疾き石を漂よわすに至るものは
勢いなり
」という場面に入った。
共産党機関紙〝赤旗〟が
六本木筋の小豆買いを紙面で
問題にしたことや国会でとりあげられ
政治の場に持ち込まれたのを嫌気した。
「旌旗動くは乱るるなり」。
納会を前にして、買い陣営に、
なにか計算違いがあったように見えた。
渡し物について
神経過敏なぐらい調査していた。
先月にはなかった事だ。
納会25日は大暴落であろう。
渡し物全量一手受けは不可能と見る。
当然売り方の親引で、
二番限にすかさず売られて、
逆ザヤの解消、
仕手相場の終焉(えん)に
向かうだろう。
値段のほうは、
かなりの安値に崩れる。
六月は魔の月である。
本間宗久伝にも
『六月崩し見ようのこと』と
特に注意している。
来月新甫生まれの12月限は
めった売りでモノになろう。
七月第三週まで下げの基調が続くはずだ。
九限、十限の二千円~三千円圏で
ボックスになって取り組んだものが、
二千円割れ→千五百円割れで
バランスが崩れる。
買い方は受け代金よりも
増証分と追証分の資金手当てが先決。
枚数が大きいし名義も多いから大変だ。
売り方は利食い足が速い。
そして流れが決まったと見れば
勝負をかけてくる。
在庫豊富。来月入荷結構多い。
産地天候良好。作柄申し分なし。
物の売れ行き極端に悪い。
北海物続落。
これで納会全量受けて悪し、
受けざれば更に悪し。
まさしく進退谷まった図。
売り玉利食いしたあとの下げ幅が、
一番おいしいところかもしれない。
●編集部註
 曲がり玉は
我慢に我慢を重ねて保有するのに、
アタリ玉はちょっと利益が出ると
たちまち手放してしまうのは何
故なのだろうか。
永遠の謎である。
 相場のソの字も知らぬ頃、
自分はそんなヘマはしないと思っていた。
しかし、いざ現場に出ると
やってしまうのである。
 つくづく相場は
未知への飛行」であると知る。
この頃
日本で公開された米国の
サスペンス映画の題名である。
2000年に
ジョージ・クルーニーや
リチャード・ドレイファスの出演で
リメイクされたので、
そちらを記憶されておられる方も
いらっしゃるかと思う。
 この作品、ある小説を
原作にした映画と内容が似ていると
訴訟沙汰になる。
最後は和解して両方公開されたが、
それがキューブリック
名作『博士の異常な愛情』である。

急変の可能性 逆らわず靡かず方針 (2018.07.06)

昭和の風林史(昭和五七年六月二三日掲載分)
納会前に急変の可能性が
小豆相場は、
一瞬にして場面が急変する瀬戸際まできている。
それは日柄の疲れだ。
小豆は今月納会で
洗いざらい渡せるものは全部渡すという動きだ。
来月は来月で、なんとかなる。

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基調崩れ 変化が生じたシグナル (2018.07.05)

昭和の風林史(昭和五七年六月二二日掲載分)
基調崩れの暴落が接近す
小豆相場は暴落の接近を感じさせる。
基調根底から崩れるシグナルも出ている。
月末にかけて小豆相場は崩れそうだ。

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