証券ビュー

森羅万象

負の遺産 お上の〝なあなあ〟体質 (2018.08.02)

昭和の風林史(昭和五七年七月十九日掲載分)
なんともやりきれぬ気持
なんともやりきれない気持が
充満している。
業界は怒りの海である。

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紙一重 結末は悲劇と喜劇 (2018.08.01)

昭和の風林史(昭和五七年七月十四日掲載分)
場勘入らぬとはなに事ぞ
買うだけ買い上げておいて、
もう銭が続かんとは
無責任にもほどがある。
小豆市場は最悪事態である。
買い仕手の土曜の場勘が入らん。
取引員の違約除名処分などに絡んで
市場は混乱している。
売り方には怨念のようなものがある。
山を売り、田を売り、
妻と離婚までして耐えてきた―
という人も多い。
生命を賭けて売り耐えてきたのである。
買い店機関店K社は
『場勘が払えない。
あとは
取引所におまかせする以外にない』―と。
それは、
あまりにも無責任ではなかろうか。
行き過ぎた投機の結末がどうなるかは
誰にでも判っていたことである。
取引員のオーナーとしての責任が
問われるのは当然。
関係取引所の
無策、無能、異常なしという当初の
態度にしても責任が問われる。
事態は市場管理面と
主舞台になった取引所の
事務局責任者の状況判断の甘さである。
こんな事はきわめて初歩的な失態である。
小豆市場の不祥事件は
商取業界全般の信用にかかわるし、
小豆の上場廃止という不幸にもつながる。
買い玉の肩替り、
あるいは投げに対して玉を合わせる方法、
あるいは解け合いなど
過去に経験してきたことであるが、
市場を維持し、市場機能の早期回復へ
業界挙げて協力しなければならない。
六本木筋は
規制強化を不当としているようだ。
52年仕手崩れの時も買い方から
そのような意志表示があった。
戦い済んで日が暮れて―という、
むなしさだけが残る。
孫子兵法
兵は国の大事、死生の地、
存亡の道、察せざるべからず
」と。
●編集部註
 BGMはこの頃に
発売された郷ひろみの
哀愁のカサブランカ」だろう。
 悲劇と喜劇は紙一重で、
この時買い方にすれば
壮大なギリシャ悲劇だが、
売り方にとって見れば
滑稽なフランス喜劇である。
モリエールの『人間嫌い』のようなものだろう。
 相場の崩落場面は、
映画の題材にしばしばなっている。
商品先物取引であれば
ジョン・ランディスが監督した
エディ・マーフィと
ダン・エイクロイド主演の
『大逆転』というコメディ映画がある。
 公開が1983年なので、
この時の商品取引業界が
どんな感じであったかを知りたい人は
この作品を観ると良い。
 株式相場が舞台の作品はもっと多い。
コズモポリス』や
マージンコール』のような
サスペンスタッチの作品もあれば、
ウルフ・オブ・ウォールストリート』や
マネーショート』のような、
実話を下敷きにした作品もある。

見切り千両の上 無欲万両も相場 (2018.07.31)

昭和の風林史(昭和五七年七月十三日掲載分) 
前二本二万六千円も相場
まだまだ油断できないが
小豆相場は、大崩れのトレンドに乗って
期近からなだれる。
雨がほしい頃になると雨が降る。
これはツキである。
産地が
豊作ムードに包まれるのも当然だ。
前週末に大阪先三本が
「相場と天気は西から崩れますよ」
とシグナルを出していた。 
まず利食い。
いままでに懲りているから、
利食い千人力となる。
売り方は力をつけて、
煽ってきたら盛りのよいところを
再度売り直す考え。
買い方は場勘がきつい。
大引けで防戦してきたこれまでだが、
規制も厳しくなるし、
新規増証も、じわじわ響いてくる。
売り方の利食い先行のあとは、
買い方の投げが出るだろう。
まるで味方の弾でやられる。
ストップ安の二発連続を喰らうと、
様相は一気に青田売り、仕手崩れ、
日柄の疲労、現物の圧迫となって、
期近ほど下げが厳しくなる。
大勢すでに決まる―と判断すれば、
今まで
耐えに耐えてきた売り方だけに、
力もついたことだし、
一の力が三倍にも四倍にもなる。
逆に買い方は、
三の力が一になるのが
負け戦さの特徴である。
それにしても長い戦いであった。
まだまだ油断はできないし、
相場の敵はむやみに喜ぶな―であるから、
とどめを刺すまでは
なんともいえないまでも、
七月限の五千円台のシコリ玉と
四千円台のカタマリ玉が
追証攻めに耐えられない
三千五百円割れ(大阪)になだれてくると、
おりから関東は、お盆であるし、
15日以降の相場は
八限、九限がトレンド崩れで
見るも無残。
この場合、八、九、十月限で
二月10日頭三万六千円から
一万丁下げということになるかもしれない。
●編集部註
 明日は我が身の相場師稼業。
〝むやみに喜ぶな〟というのは
経験則から来るものであろう。
負けた痛みを知る人しか、
このセリフは吐けない。
 古今東西、ところどころで
上空3000メートルの高みから
ものを言い、敗者に冷たく、
何かあれば札びらを切って
物事を動かそうとする増上慢が出現する。
このような人物を成金という。
 相場崩落の歴史は
成金が自滅する歴史であった。
 彼らだけが地獄に落ちるのなら
それはそれでせいせいするのだが、
善良な人たちも道連れになるのだから
タチが悪い。
見切り千両の上が無欲万両
というのも肯ける。
 文化面ではこの頃、
俳人の水原秋櫻子が
88歳で亡くなっている。
高浜虚子の弟子にして、
正岡子規の孫弟子にあたる。
 何かと風林火山は
記事のどこかに句を入れていた。
ここから俳句に触れた業界人も少なくない。

波乱は覚悟 防戦きわめて頑強で (2018.07.30)

昭和の風林史(昭和五七年七月十二日掲載分)  
大阪先三本が実勢を反映
大阪小豆の先三本が
今後の相場のあるべき姿を暗示している。
これが実勢であろう。

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暗闇での殴り合い 何処から来るか判らぬ (2018.07.27)

昭和の風林史(昭和五七年七月十日掲載分) 
ぬるさもぬるし先二本
待つは仁。
相場自然の流れに戻るのを
ひたすら待つだけ。
下がる時がくれば下がる。

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