円高はもう止めた 2013年01月28日 (2013.01.28)
副大臣の発言で、為替相場はひとつの堰が切れた。
その流れは、いつのまにか濁流となる。
七十路は夢も淡しや宝船 秋桜子。
宝船とは、新年の季語である。
もう一月も終わろうというのに、今時分に詠むような句ではない。
旧正月も、先の話。
だが、最近荷を積み直した宝船は、きっと来年以降の初夢で出てくる。
勢い止まらぬ円安の流れ。
三六〇円時代から走り続けたドル円航海は、潮目が変わった。
かれこれ、四十年以上は円高時代であったか。
相場には、周期というものがある。
どのような相場も、上げ続けたり、下げ続けたりすることはない。
どこかで天井をつけると、底を打つまで下がるのが相場である。
逆もまた、真なり。これぞ天地自然の摂理。
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節分天井 節分底 2013年01月25日 (2013.01.25)
来年の事を言うと鬼が笑うというが、その鬼は、来月豆をまかれて追われる。もう、そんな時期か。
寒の夜に酔うた男の胴間声 喜久恵。
山田風太郎が「あと千回の晩飯」という随筆を書いている。
自分は、あと何回食事をするのだろう。
どんなに酒好きでも、一生分の酒量など、たかが知れている。
もう一生分呑んでしまった。
胴間声など、生易しい。下駄を枕に、道の真ん中で寝た事がある。
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一月は、何かと〝初〟がつく行事が多い。初天神に初大師。今日は二十四日で「初地蔵」である。
お月さまが地蔵さまにお寒くなりました 山頭火。
苦を代わって受けるお地蔵様を敬う信仰を、身代わり地蔵信仰という。
大きな地蔵尊では毎月二十四日に縁日が。一月二十四日は、その年最初の縁日で「初地蔵」。
西道頓堀の戎橋のたもとに、出世地蔵尊がある。小さな地蔵尊だが、結構お参りに来る。
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大和の国の億劫帳 2013年01月23日 (2013.01.23)
百鬼園先生の随筆に、億劫帳というものがある。先生還暦過ぎの作品。その達観、些か早過ぎだろう。
ぽつくりと蒲団に入りて寝たりけり 亜浪。
一日中寝ていたらダメですよ、とヘルパーさんから。
たまにはテレビでも見て、起きている時間を長くしてくださいね。
あと、部屋の中で歩く練習もしないと…。
そんな事はしたくない。とはいえ、最近は原稿を書くのもままならず。
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大衆は常に間違っている 2013年01月22日 (2013.01.22)
行く睦月、逃げる如月、去る弥生。
その睦月も既に三分の二過ぎ。
齢を重ねると一日過ぎるのが早い。
戸に犬の寝がへる音や冬籠 蕪村。
寒さに弱いので、休み中は一歩も外に出ない。
我が家に犬の一匹もいれば、
乙な俳句のひとつでも捻り出せようが、
そんなものはいない。
都心では先週の雪がようやく溶け終わったというが、
この寒さでのたりのたりとも行かぬ。
思えば、のたりの句も蕪村であった。
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