森を見て木を見ず 2013年03月13日 (2013.03.13)
木を見て森を見ずという諺があるが、
今の相場、そして日本を見るには、その逆で行かねばならぬ。
穴を出る蛇を見て居る鴉かな 虚子。
俳句の面白さは、季語にあると思う。
蛇は夏の季語だが穴を出る蛇は春の季語になる。
これは啓蟄からの流れで、着眼点の違い。
相場の大局観は、これから新芽吹く春を迎え、
そして、草木生い茂る夏へと移り変わる。
>>続きを読む
今の相場は煙霧のなか 2013年03月12日 (2013.03.12)
「えんむ」というのだそうだ。
日曜の東京は視界が二㌔に満たなかった。まるで、今の相場のよう。
水取や氷の僧の沓の音 芭蕉。
東大寺二月堂の修二会ももうすぐ終わる。
籠もりの僧が大松明を振りかざして、
石段を駆け上がり、堂の回廊を渡る。
>>続きを読む
頭脳無用の信念の相場 2013年03月11日 (2013.03.11)
二年前のあの日、大阪でも揺れた。
東京と連絡が取れるまではヒヤヒヤした。何より無事でよかった。
みちのくや行方も知れぬ春の塵 高資。
>>続きを読む
気まぐれ能天気 2013年03月08日 (2013.03.08)
あわてない、あわてない。一休み、一休み。ポクポク、チーン。
むかしテレビで一休さんがやっていた。
刻々と雉子歩むただ青の中 草田男。
昔から、春の季語によく雉子が使われる。
春の繁殖期になると、鋭い声で鳴く。
華麗ではあるものの、ホトトギスの如き〝はんなり〟さはなく、
切なさを含んでいる気がする。
雉子が飛び立つ時は、鳴きながら垂直に舞い上がり、
>>続きを読む
黙して語らず 2013年03月07日 (2013.03.07)
彼岸天井、彼岸底と申します。
途中であれこれ考えて、せわしく動くと、大概ロクな事がありません。
ゆくさきに日輪うつり春の泥 泊雲。
昔の人は、雪解けのぬかるみや、春雨のぬかるみに風情をみつけた。
泥に、春をつけるだけで季語となる。
それだけ時間がゆっくり流れていたのか。
>>続きを読む