証券ビュー

森羅万象

行きがけの駄賃 大勢道中の戻りに過ぎぬ (2018.10.04)

昭和の風林史(昭和五七年九月九日掲載分)
やっぱり小豆は大勢売り
生糸売りが速そうだ。
小豆は、やはり大勢売りの相場。
輸大の期近は押し目とみる。
小豆は道東部移輸出協会が
全道百四十万俵収穫予想を出して
豊作人気が滲透している。
単純な計算として反収四俵、
農家手取り二万五千円なら10万円ある
―という見方をして、
消費地二万七千円相場を考える。
それも一理あるわけだが、
農水省もホクレンも
相場のだだ下りは困る。
だからホクレンあたり、
安いところの定期を買って
歯止めをかけよう。
また、相場というものは、
仕手崩れでもない限り
一本道の下げはない。
いまのところ、
三万一千円台の買い玉の整理が
強要されている格好だ。
一巡投げるものが投げ終われば
相場のアヤとして戻すだろうが、
所詮、大勢下げ道中の戻りに過ぎない。
いま反省すべきは、大局下げの中のアヤ戻りを
行きがけの駄賃として
取ろうとしたことでコミズがかかった。
相場とは、大きな流れに乗って、
他のことを考えるべきでなかった。
そう考えると、目先的に、
どれほど戻すかではなく、
二万九千円を割り込んできたら、
三万円どころの買い玉の投げが
山崩れのようになり、
彼岸前後で、豊作相場、即ち秋底を
つくるかもしれない。
輸入大豆はシカゴ安と
隣の小豆安の人気につられて
売りが売りを呼ぶという
ショック的下げだった。
東京輸大先限の百八十円は
先月15日の安値顔合わせで
両足つきの二点底型。
期近限月は七百円ないし九百円も
一本棒で上がっただけに、
この押し目は竹のフシである。
需給が緩和されたわけでない。
要するに、
ふるい落としみたいなものと思う。
生糸の線型は八月6日完全天井で、
これは悪い。
神戸10・11限の四千九百円あたり、
抵抗なく取りにいく崩れに入った。
●編集部註
 今から10年近く前、
須田泰成という作家が
兵庫のおじさん」というアニメを作った。
一部は今も動画サイトで見る事が出来る。
「兵庫のおじさん」「政見放送」の
二語で検索して、その動画を見てみると良い。
日本の先物取引が
どういう笑いのネタとして
弄られているかがわかる。
これは想像だが、その弄りの素地は
この頃の相場変動にあると見る。
 そしてこれも想像だが、
あそこで弄り返せるネタがあれば、
もう少し日本の商品市場は
隆盛を誇っていたかも知れない。
 古くは二条河原の落書
代表されるように、
笑いは
時として核心を突く鋭利な刃物と化す。

雲行き怪し 当てようと思うと曲がる (2018.10.03)

昭和の風林史(昭和五七年九月八日掲載分)
生糸相場の雲行き怪し
小豆の安いところを叩くと
捉まった時はひどいことになる。
輸大は時間調整。
生糸市場のほうが、なにか騒然としている。
今月納会締める、締めると前宣伝は、
つつがなくゆき渡っているが、
渡し物も日毎にふえて、
これが買い方二本の柱が、
この納会受けざれば
七月小豆の二の舞い必至―と、
融資を懇願すれど、
案外、中ちゃんという人、
クールな人生観の持ち主だし、
六本木崩しの
きっかけとなった話題もあるから
人生意気に感じて
敢えて資金援助するかどうかは
彼の胸先三寸にある。
まして、
仕手に資金援助しての
買い占め、玉締めは
取引員モラルの問題とされているから、
出来んだろう。
小豆のほうは、これはどうなんだろう。
ひょっとすると、目先戻すとみたのは、
曲がりになったかもしれない。
提灯が随分ついているようで、
なにが怖いといって
この提灯ほど怖いものはない。
松尾芭蕉は、
鶏頭や雁の来る時なをあかし―と。
風林や提灯つくころなを曲がり
となるかもしれない。
このような時は、
当てようと思うと曲がる。
相場は薄商い。人気は三万円傘(笠)。
戻りを売っておけばよいという。
確かにそうかもしれないが、
あまり売り込むと、下がらんのが相場。
まして東西取り組みがふえつつある。
戻す時は一発高になりそうだ。
輸入大豆は
前二本のファンダメンタルズが
強気有利に展開しているから、
月の中旬頃から
目の醒める動きになるだろう。
期近二本はシカゴも豊作も、
為替変動も関係ないところの相場である。
まあ、のんびりと力をためておけば
よいだろう。
●編集部註
 生糸・乾繭市場も平成の御代にはない。
昔は一人の実業家をのめり込ませた挙句に
商品取引員まで買収せしめる程であったのに、
いまではキーボードで直ぐに変換されない。
AIによる予測変換機能全盛の中、
〝きいと〟は「生糸」と一発で出て来るが、
〝かんけん〟は「官憲」「漢検」となり、
候補にも入っていないという悲しさ。
 老兵は死なず、ただ、消え去るのみ―。
 相場とは関係ないが、
この頃一人の老俳優が
人気時代劇の主役を降りた。
 その人の名は東野英治郎
(ちゃんと予測変換で名前が出る)。
テレビの水戸黄門役と言えば
筆者の頃は東野英治郎だった。
 この問いへの回答には
世代間ギャップが生じる。
二世代前なら月形龍之介
一世代後なら里見浩太朗
二世代後は、水戸黄門自体を知らぬ可能性が…。

〝馬鹿と禿〟 強烈斬り返しがこよう (2018.10.02)

昭和の風林史(昭和五七年九月七日掲載分)
小豆はこのまま崩れない
小豆は、
このまま崩れるには少し早や過ぎる。
安値叩くと強烈斬り返しがこよう。

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相場の魔性 つい買わされてしまう (2018.10.01)

昭和の風林史(昭和五七年九月六日掲載分)  
輸大期近の基調ゆるまん
小豆は弱気がふえすぎて下げられんが
今週高いところ売り。
輸大は、さりげなく。

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来週は活気づく 強弱垂れの相場知らず (2018.09.28)

昭和の風林史(昭和五七年九月三日掲載分)
来週は穀取市場活気づく
小豆は高くなる。
輸入大豆期近三本も高くなる。
来週は市場が活気づきそうだ。
小豆相場はトレンドに忠実な足取りである。

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