証券ビュー

森羅万象

昭和の風林史 (昭和四六年十月二十一日掲載分) (2013.11.11)

買い陣営粛然 高値玉 野ざらし

手亡はジリ貧である長い灰色の線だ。

時間をかけて値が消えていく。小豆は、どこかで反撃あり。

「炭焼に渋柿たのむ便かな 玄虎」

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昭和の風林史 (昭和四六年十月二十日掲載分) (2013.11.08)

ぶん投げ場面 どこかであろう

手亡は売り一貫。

七千三百円から時に七千円を割る事だって充分考えられるのだ。

「筑波見て止らんと思ふ秋の情 碧梧桐」

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昭和の風林史 (昭和四六年十月十九日掲載分) (2013.11.07)

七千三百円か 因果玉が鈴なり

手亡は駄目だ。

皆さん総水浸りで戻したら我れ先に逃げたい

先限の七千三百円あたりがあろう。

「武蔵野の雑木紅葉に木戸を置き 迷子」

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昭和の風林史 (昭和四六年十月十八日掲載分) (2013.11.06)

厳然買い方針 今週は暴騰場面

値段としては買い場にきている小豆だ。

どこかで買い場の総反撃があるだろう。売る手はない。

「鵙(もず)鳴くや明治の椅子の影深し 彩二」

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昭和の風林史 (昭和四六年十月十五日掲載分) (2013.11.05)

現在は買い場 再び棒立ちする

九千円割れが欲しいところだが、

そのような値はつきそうにない。

再び小豆は買いになった。

「縄の端くるくる上る松手入 玻美

市場の人気は再び弱くなった。

新物の契約がぽつぽつ進展していることと、

交易会での成約待ちで、

戻りは売っていこうという空気。

しかし伝えるところでは帯広の一等地で

素俵つくり三等一万九千五百円(片山商店の話)

これが精一杯で、二等検など、とても出来ない。

しかも三等で一車(15㌧)と纒めるのは大変な状態という。
帯広で平均反収一俵上回ることはないだろうといわれる。

十一月必着ものが果たしてどれだけの量に纒まるだろうか。

大安値でのザラバ契約は、かなりほどけていたが、

今ここにきて出回り遅れと予想外の鎌入れ不足で、

デール取り引きのスムーズな履行が危険視され、

またそれを取引所相場にヘッジした筋が現物は来ないわ、

定期は高いわ―で結局踏み上げざるを得なくなろうというもの。

売り方にとっては、交易会での大量成約が頼みの綱である。
だが北海小豆三十五万俵では、

仮りに一万㌧や二万㌧契約できても品物が

だぶつくまでには至らない。

もし交易会での契約が難航すれば

定期は二万五千円に沸騰してしまい、

取引所は完全に存在無用の建物になる。

おりから結婚ブームである。また出産ブームである。

祝儀にはお赤飯と紅白の饅頭がつきもの。

これは饅頭の値段にかかわりはない。

高かろうが必要なものは必要なのだ。

新幹線列車のあの一杯な新婚さんを見るにつけ、

はたまた空港での新婚カップルを見るにつけ、

あれは小豆の特別需要だと思う。

さて、相場が下がったから筆者の方針は

再び強気に転換する。

線型も九千五百円以下は安心買いになる。

出来ることなら九千円割れが欲しいところであるが、

そういう相場には、なりそうもない。

それでまたストップ高の三連発だ。

市場は

交易会の様子を眺めて売り崩そうという空気であるが、

崩れぬ相場を崩そうとすれば

逆に相場が立腹して棒立ちするものである。

●編集部注

 一般的に、この年から昭和四九年までが

第二次ベビーブームであるとされている。

この時の子供達が、

所謂「団塊ジュニア」と呼ばれる世代だ。

 〝おりから結婚ブームである〟とあるが、

これにに便乗する流れも登場。

 今も日曜日に放送している「新婚さんいらっしゃい!」も、

昭和四六年一月から放送開始。

 それにしても、婚礼需要が小豆特需とは、

面白いが少々苦しくないか。

【昭和四六年十月十四日小豆三月限大阪一九〇円安/東京一九〇円安】