証券ビュー

森羅万象

ふらふら戻す 相場に芯がない (2018.11.19)

昭和の風林史(昭和五七年十月二二日掲載分) 
ふらふら戻す小豆を売る
輸大仕手戦も末期現象。
もとの木阿弥になろう。

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「階段落ち」 上向きになるには少し時間が必要 (2018.11.16)

昭和の風林史(昭和五七年十月二一日掲載分) 
三万円の小豆は売り場だ
小豆は三万円乗せを売ればよい。
実勢悪がこれから出てくる。
輸大の下げは深い。
小豆相場を、
なんとかして蘇生させたい願いが
今の買い方の気持ちである。

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〝討匪行〟『たのしいプロパガンダ』 (2018.11.15)

昭和の風林史(昭和五七年十月二十日掲載分) 
各市場建玉の老齢化現象
小豆は強気が増大しているから
案外な崩れがくるかもしれない。
輸大期近は天井。
商品によっては大きな取り組みが
しこって玉の回転が利かない。
これは一種の建玉の老齢化現象である。
限られた投機資金が
塹壕の中に張りついているから
薄商いが続く。

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強いのか重いのか 相場に夢がない (2018.11.14)

昭和の風林史(昭和五七年十月十九日掲載分) 
小豆は強いのか重いのか
小豆は大衆離れである。
相場に夢がない。
輸大期近は暴落のシグナルを出している。
小豆相場が非常に難かしいところである。
先週13日、夜放れ高してのS高は、
閑な市場がアッと息をのんだ。
しかしそのあとは再び薄商いで
玉の出具合いによる小高下。
S高の勢いからすれば
三万円大台乗せ必至
と誰でも思ったはずだ。
十月1日の安値を七月19日安値に対比して
両足つきの秋底と判断する人は、
当然押し目買いの姿勢であるが、
現物の売れ行きという実勢面を
重くみる人は、
期近限月が仮りに三万円乗せしても
三万二、三百円あたり
再び売り場になるとみている。
一般的には、
基本として押し目買いなのか、
それとも戻り売りなのか、
なかなか決めかねている。
極端な弱気をいう人は、
まだ大底が入っていないから、
二万八千円割れはあるし、
二万五、六千円という昔の相場に
戻る可能性もあるとしている。
ともあれ判断がつきかねる時は
ポジションを持たないことである。
輸入大豆の10月限は
大阪に予想外の現物が
草木もなびいて集まりつつある。
罫線当限は煎れの出た姿。
買い方は背水の陣で受けるだろうが、
納会カイはなを商社筋は予想している。
二番の11月限も暴落線のシグナル。
東京、名古屋、大阪当限は
天井でよくやるユレ戻しがあっても
売り線。
二番限が極端に悪い線。
中国は
売りたい気持ちがありありと見える。
来月に入ればIOM新穀が入荷する。
実勢遊離の異常逆ザヤは、
いつまでも続くものでない。
売り過ぎた取り組みもほぼ踏み終わった。
●編集部註
 相場とは全く関係ない話だが、
この年の10月は、
その後の日本のテレビ史に
名を残す番組がいくつも始まっている。
 新宿アルタで
「笑っていいとも!」の生放送が
始まったのがこの年の10月。
この番組は4年前に終わったが、
司会者として31年半も
平日の昼間を担当したタモリは
これでギネスブックに載った。
 「笑っていいとも!」の
初回放送から4日後、
テレビ朝日で
「タモリ倶楽部」が始まった。
この番組は現在も続いている。
 関西ローカルでは
笑福亭鶴瓶が司会の
「突然ガバチョ!」の放映開始が
同じくこの年の10月。
地方の番組がその後、
東京をはじめ他県でも
放映される先駆けとなった。
 TBSからフリーになって数年。
日本テレビで
「久米宏のTVスクランブル」
という冠番組が始まったのもこの頃。
ここでの活躍が、
その3年後に始まる
「ニュースステーション」に繋がる。

微妙 利害が伴うだけに難航 (2018.11.13)

昭和の風林史(昭和五七年十月十八日掲載分) 
煎れたら輸大も天井打つ
輸大は、かなり煎れが出た。
反落に転ずると真空逆さ落としになる。
小豆は微妙。
輸入大豆当限の棒立ちは
典型的な煎れ相場である。
大阪当限は八月17日安値
三千七百七十円から二千五十円高。
線型は三段上げの
最終的踏み上げ化け線。
特に今月五日からの連続陽線
一気に千百円幅を買った勢いは、
売り方失神である。
旧穀の需給逼迫と
売り過ぎた取り組み。
強力買い仕手の作戦勝ち。
思えば
叩かれ叩かれてきた買い大手だった。
恨みは骨髄にしみている。
遺恨なり十年一剣を磨いてきた格好。
環境としては
商社の体力が弱っていることや、
商社の穀取離れが素地としてある。
輸大に限ってスクイズなど
成功するためしがない
という安心売りも災いした。
しかし、ここまできたら、
穀取相場の当限大幅逆ザヤが
影響するところ大である。
取引所は増証規制を打ち出し
異常性の鎮静化に乗り出した。
今年の夏には小豆市場で
大不祥事件を起こしている。
いままた輸大市場で世間の非難を
浴びるようなことがあっては、
先物取引に対する不信感は
つのるばかり。
売り過ぎたとがめであり、
需給逼迫に違いないが、
実需が手の出ない値段ともなれば、
売り方も煎れ、買い方も玉を合わせ
鉾を納める段階であろう。
現在、生糸市場では売りと買いの
大きな玉が対峙したまま
商いたるや微々、
手の出しようがない。
市場がこうなってしまうと
取引所機能が麻痺して
市場利用者も投機家も
寄りつかなくなる。
取引所も主務省も、
この異常性を解消すべく努力を続け、
売り方、買い方また
自粛の姿であるが
利害の伴うことだけに難航した。
しかし、輸大にしろ、生糸にしろ
大衆はシラケてしまった。
本当は、これが怖いのである。
●編集部註
サラリと「商社の穀取離れ」
と書いているが、
これが
どのような恐ろしい結果になったかは、
今これを読んでいる取引関係者は
痛感していると思う。
値決めは重要なのだ。
 悪貨は良貨を駆逐する、
とはよく言ったもので、
本来市場(しじょう)は
適正な取引を行う場所であり、
流通を円滑化し、
国民の生活を安定化するためにある。
投機はその手段に過ぎず、
前面に出過ぎるとロクな事がない。
ただの博打場になっては困るのだ。
そのため悪用者をしっかり取り締まり、
監督する必要がある。
実際、
米国のCFTC(商品先物取引委員会)には
FBIから出向組もいるという。
優秀な審判は、日本にいたのだろうか…。