証券ビュー

森羅万象

政治絡み難解 日柄面では疲労 (2015.03.05)

昭和の風林史(昭和四八年三月一日掲載分)
政治、需給、買い方主力、
そしてエスカレートしつつある感情問題など
小豆は難しい動き。
「のけぞりに雛の抱ゆる鼓かな 花囚」
小豆相場は政治が介入していることから

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卑怯な手段なり 総理に対する陳情は (2015.03.04)

昭和の風林史(昭和四八年二月二十五日掲載分)
小豆等に関する某筋の陳情書が

業界に険悪なムードを投げかけている。

キタナイ手である。

「古き世の火の色のうごく野焼かな 蛇笏」

小豆相場は複数で微妙な環境で冴えない。

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事態楽観出来ず 憂慮される業界前途 (2015.03.03)

昭和の風林史(昭和四八年二月二十四日掲載分)
目先の利害ばかりしか見えない穀取の阿呆どもも、

ようやく事態の容易でない事に気がついたか?

「咲くよりも落つる椿となりにけり 秋桜子」

商品投機を立法で規制しよう

という田中首相の積極的な考え方が

大きな波紋をえがいている。

もとより〝行きすぎた〟投機行為は、

それが時勢とはいえ、反社会的であり、

国民世論の批判の的になるわけだが、

どこまでが妥当で、どこからが行き過ぎなのか、

この区分は難しい。

しかし、いまの小豆相場は、

一部特定の巨大な仕手が、先限、先限と価格を操作し、

当先のサヤはかつて見られなかったほど異常に開き、

しかも現物のヘッジ機能が完全に破壊され

(場勘戦争で売りヘッジ玉は締め上げられる)、

これが現時点で適正な価格とは誰しも考えていない。

筆者は、思想なき亡国的ニヒルな買い仕手だと思う。

この反動来たらば市場は、

先に生糸相場で見られた栗田某の仕手崩れの如く、

市場に与える影響、そして大きな犠牲が必ず生ずるのだ。

思えば腰抜けで、

まったく無策無能な取引所当局者の

事態の前途をちっともわきまえぬ馬鹿どもは、

大変な問題が起こらなければ、

まったく気がつかないため、

いつまでたっても穀物相場が、

他の商品の積みまでかぶらされ、

穀取業界の信用は回復出来ない。

彼ら穀取の腰抜けどもは、まったく阿呆であり、

大馬鹿者で、実に困ったことであるが、

ようやくにして血のめぐりの悪いド頭(あたま)も、

政府・与党首脳者の、

当業界を見る厳しい態度に気がつき、

あわてだしたのである。

いつでも言われる事だが、小豆が悪いのではない。

市場の管理がお粗末すぎるのだ。

取引所の運営がなっちゃいないのである。

彼ら腰抜けどもは、

一生懸命やっているのだ―と言う。

それで一生懸命なのか。だから馬鹿どもである。

筆者は久しく筆勢を抑えて成り行きを眺めていたが、

事態がきわめて憂慮される今日(こんにち)、

孤剣を抜かざるを得ず、

抜けば関門商取の馬鹿どもにしろ、

ホップ・ステップ・ジャンブ・ダウンの馬鹿どもの、

また中国大豆上場というトンチンカンを

やった一、二月ツイていない穀取にしろ

市場管理も出来ない穀取にしろ、

斬人斬馬血煙あげざるを得ない。

当業界の事態は、きわめてよろしくない。

●編集部注
怒っている。火がついた風林刀は、

斬馬刀の如き切れ味に。

ただこの当時の記事を振り返ると、

業界の長老に

窘められてシュンとなる場面も。

それが読者を虜にする。

相場に上下があるように、

風林節にもアゲモードとサゲモードがある。

【昭和四八年二月二三日小豆七月限大阪一万三四五〇円・四七〇円安/東京一万三五五〇円・三七〇円安】

破壊的行為に 業界は防禦せよ (2015.03.02)

昭和の風林史(昭和四八年二月二十三日掲載分)

影響力の大きい仕手本尊及び機関店は

良識と責任を持たなければ

業界の犠牲は大きなものになる。

「庭芝を焼く少しづつたのしみに たけし」

小豆相場は巨大な投機家の先限買い作戦によって、

穀取業界は不当な指弾を社会から受けようとしている。

それは①仮りにインフレで

②換物人気が沸騰しているとは言え

③豊作で品物が豊富なのに

④異常高を示しているのは

⑤取引所市場に⑥巨大な投機家が介在し

⑦行き過ぎた思惑をしているのに

⑧取引所当局は適切な手段を講じなかった

―ためだ。

そういうふうに社会から攻撃されても、

いやそうではない―と言えない。
現物は取引所市場にヘッジされているけれど、

先々と強引に買っていく巨大な投機家の

巧妙な作戦で、ヘッジしながら場勘定で攻められ、

しかも現物価格は低く、当先のサヤが

かつて見たこともない異常な開きかたであるため、

期近買いの先売りというサヤ取り運動が展開される。

仕手筋はこの業界のキャパシティを

上回る資金をもって、時に煽り、時に強引。

いうなら巧妙な作戦ではあるが、

行き過ぎたやり方と言えるし、

市場機能を破壊してでも儲ければよい

というニヒルで亡国的な心の寒さを感じる。

取引所も取引所だが、買い本尊も、

そしてまたその機関店も、

この行為の業界にあたえる影響と、

その占めるウェイトについて、

良識のもとに充分配慮ある行動を

採らなければならないと思う。

それが影響力の大きい仕手本尊の責任であり、

また機関店の良識と責任であろう。

もとより仕手戦に、

ほどほどという事はあり得ないが、

やり過ぎたあとにどれだけ大きな犠牲を

業界に押しつけるかは、

仕手の責任と機関店の良識によって

判断しなければならない。

業界も、

取引所が取引所である現在(はっきり言えば無策無能)、

業界の置かれている今の立場や影響力を考え、

いやしくも内閣総理大臣らから

厳しく批判される事のないよう、

適切な処置を講ずるよう、

無策無能な取引所当局者に

激しく注意するぐらいでなければ、

穀取業界は再び信用を落としてしまうのである。

思うに、つくづく穀物取引所にも

傑出した人物のいない事を痛感する。

業界の前途は多難だ。

●編集部注
この当時業界にいなかったので

詳しい状況は解らぬが、

狂乱のパラジウム相場の時の世の指弾っぷりは知っている。

それでも、相場は無慈悲に動くものである。

機会があれば、一度2000年2月以降の東京パラジウム日足を見てみるとよい。それと比べれば、この時の小豆相場はまだ動いているほうだ。

【昭和四八年二月二二日小豆七月限大阪一万三九二〇円・一九〇円安/東京一万三九二〇円・一七〇円安】

業界反省の時期 前途はきわめて多難 (2015.02.28)

昭和の風林史(昭和四八年二月二十二日掲載分)
田中内閣は、わが商品業界を峻烈な目で見るだろう。
業界の前途はきわめて厳しいものとなる。
「俗用にのびたる髪や水温む 万太郎」
一番怖いのは社会全般から

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