証券ビュー

森羅万象

ああ〝うなぎ屋〟S安に燦と散る (2015.04.09)

昭和の風林史(昭和四八年四月五日掲載分)  
硝煙たちこめS銃の撃ちあいが済めば
抜刀隊の肉薄攻撃となる。
小豆は買いの旗ちぎれるも厳然。

「ゆっくりと時計のうてる柳かな 万太郎」

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あれは三日前 下げ過ぎの相場 (2015.04.08)

昭和の風林史(昭和四八年四月四日掲載分)

スケールの大きい相場である。
下値にとどいたし下げ過ぎたから、
猛然と反騰しよう。S高あり。

「花の雲鐘は上野か浅草か 芭蕉」

相場の人気は潮の引くように、
そしてまた潮が満ちるようなものである。
さしもの繊維相場も満つれば欠ける。
小豆相場にしても同じである。
人気は寄せては返す波のようなものである。

一万六千円も相場なら一万二千円も相場。
現物が豊富にあることぐらい
一万六千円時点でも充分承知していた。
しかし、買い人気旺盛で
需給事情は隅のほうに押しやられていた。

熱狂、熱狂、また熱狂で
頂点に達した相場が反落した。
行き過ぎの反省。

買い過ぎの反動。

いまさら鬼の首を取ったみたいに
六十万俵余るとか、七十万俵余るなどと
騒ぐ事はない。
そういう事は当初から承知の上だ。

ただ、知っていても、湧いている時は、
人気面で受け付けないだけである。

ひとたび満ち満ちたあと潮が引き始めれば、
水面下に隠れていた岩礁が表面に出る。
あたかも天から降ったか地から湧いたかの如く
受け取れるような軟材料にしても、
初めから判っていたし予測できるものだった。

市場は悲観、絶望の極にある。
即ち潮の引いた極限に近い状態である。
売り方は、遺恨なり十年一剣を磨く。
この機を逸する事なく
買い主力にとどめを刺さんと勢いに乗る。

だが、相場は下げ過ぎだ。
いかに下げ過ぎであったかが、
これから目(ま)のあたりに証明されよう。

三千円割れの先三本は買いである。
まさしく延べ棒だ。

少なくとも四月二日のS安は余分な下げ、
いうなら行き過ぎである。
だが、相場には行き過ぎがつきもの。
このS安で整理が急進した。
人気面もいまでいう急速冷凍冷蔵庫、
完全に冷えてしまった。

テレビで人気歌手が歌っている
〝あれは三年まえ―〟などと。
相場は三日見ぬ間の桜かなである。
三年前の事など覚えていない。
男子三日見ざれば忽然たり。
相場三日見ざればS安なり。
とは申すものの、
とどいた相場三日見ざればS高なり。
世の中のテンポは目まぐるしい。

高値から(八限)三千五百円安。
あっさりと、やったものだ。
四月限で六千六百円高の三千七百六十円安。
スケールが大きい。

●編集部注

 今週の東京白金の様な流れを、
当時の風林火山は思い描いていたと思う。

【昭和四八年四月三日小豆九月限大阪一万三一八〇円・三九〇円高/東京一万三一九〇円・四〇〇円高】

逆襲は強烈だ 不動の信念買い (2015.04.07)

昭和の風林史(昭和四八年四月三日掲載分)  
売り方は、
ぶった斬ったという久しぶりに味わう快感
であろうが、勝負はこれからである。
「おぼろ夜のうしろ姿や京言葉 牧山」
四月新ポは、ぼんやりで発会した。
さて四月、と座り直してみても、
なんということもない。
お天気のほうは花曇り。
高きより散りくる花や貴船みち(王城)
熱い目にお燗をしたお酒を
魔法瓶に詰めて出町柳から
鞍馬行きの電車に乗って、
洛北貴船あたりに―などと、
とりとめもない事を考えていると、
三節、グヮンと相場は安い。
新ポ、九月限が
サヤを買えなかったのを嫌気した。
市場は総弱気である。
相場に力がない。
投げ物が嵩(かさ)む。
こうなると、相場地合いは、
手のほどこしようもないほど悪い。
しかし、一万三千円割れを売って、
幾らの小豆を考えるのであろうか。
相場に値ごろなし。
荷圧迫、荷もたれ、
インフレ買いの反動、
売り方有利な市場規制とは申せ、
急落あれば急騰あり。
一気に値幅で整理を強要すれば、
灰汁(あく)抜けになる。
ケイ線は二段下げ、
あと戻して三段下げに
はいるという見方になっているようだが、
この場合、
一万六千三百円を付けた三月10日を
天井と決めれば―の話。
八月限(先限時代)
六千円→五千円→四千円と大台を三ツ割って
〔二千四百五十円〕下げ。
大台三ツ替わりは買い場。
〔千三百四十円幅〕を反騰した。
その相場が
また五千円→四千円→三千円と大台を三ツ割った。
腹だたしい思いで騰げ相場を、
さんざんやられた売り方は、
嵩(かさ)にかかって売り崩してくる。
買い方主力の息の根を止めてしまえ
という殺気を感じる。
しかし、天は、
この先どちらに味方するのだろうか。
あくまでも天候相場が天王山である。
引かされた玉だろうと、
辛抱すれば、生き返るのである。
値段を下げるだけ下げておけば、
千円、二千円、三千円反騰しようと、
市場管理で問題にされることはない。
充分に引きつけておいて
大攻撃に出る。
調子に乗って安値を売り込むと、
目から火が飛ぶ逆襲に逢うことであろう。
新ポは春爛漫の買い場であると思った。
●編集部注
 上記のコメント通り、
玉さえあれば、
払うべき追証が潤沢にあれば、
生き返る事は簡単だ。
 ただ、相場様は
人のお財布の中身をご存知のようで、
いつも資金力が尽きる寸前か、
丁度なくなる所まで曲げる。
 相場が天底をつける時は、
相場師の心がポキリと折れる音が響き渡る。
【昭和四八年四月二日小豆九月限大阪一万二七九〇円/東京一万二七九〇円】

逆襲はS高で 春爛漫の買い場 (2015.04.06)

昭和の風林史(昭和四八年四月二日掲載分)

さあ第四ラウンドである。方針は買い一貫。
値段はとどいた。強烈な斬り返しがあろう。

「煮わらびの淡煮の青を小鉢盛 柳芽」

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決めうちは、我が身追い込む (2015.04.03)

昭和の風林史(昭和四八年三月三十日掲載分)

「日輪に消え入りて鳴く雲雀かな 蛇笏」
名古屋大石商事の大石俊司社長は
『規制も強化され、
降ろすだけ(買い方は)降ろされた格好。

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