証券ビュー

森羅万象

御都合主義 後続性がないのが泣きどころ (2018.12.04)

昭和の風林史(昭和五七年十一月八日掲載分)
小豆は高値高値売り一貫
小豆は人気の強いところを売るのがよい。
輸大当限は結局暴落する運命下にある。

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だが重たい 官民挙げての錦の御旗 (2018.12.03)

昭和の風林史(昭和五七年十一月五日掲載分) 
強気多い小豆だが重たい
小豆の商いは薄い。
先日本売り上がりが判りやすい。
輸大当限は天井を打っている。
小豆相場は
弱気を言う人がいなくなるほど
人気が強くなった。
当限の三万一千五百円あたりを
誰もが考えているようだ。
今期輸入枠の発券を
来年一月以降にズリ込ませて、
輸入小豆の圧迫から値を守る―
という政策面による応援が、
今のところ官民挙げての錦の御旗である。
増産させた以上、
農家に対して値段を守ってやる
という姿勢は、
やむを得ないことかもしれない。
しかし相場は、あるところまでは、
なびくだろうが、
人為の及ばざるものであるから、
無条件に強気できない。
子供でも判ることは値が高くなれば
産地は売ってくるのである。
収穫したものは、年末には換金して、
お正月の準備もしなければならない。
目下のところ
取引員業者も現物流通関係者も、
産地筋も小豆に関しては
皆々強気である。
期近限月に関しては敢えて
その強気に逆らう必要もないと思うが、
皆が考えているほど、
この小豆、上昇のエネルギーはない。
買っているあいだだけ高いという相場だ。
期近高につられて上がる三、四月限を、
ゆっくり売り上がれば、判りやすいし、
苦労せずに取れる。
輸入大豆は円安に支援されているが、
長期限月気分一杯買うだけ買った。
また、当限も、
品物がないわけでないし、
中国大豆の入船が見えている。
東京当限四千六百円。
名古屋、大阪当限七百円。
綺麗な踏み上げ・天井型。
八月16日安値から、
日柄で三月(つき)またがり60日。
日足四段上げ。
先月末で
旧穀二万二千㌧の在庫を見ている。
今月に入って入荷相次ぐ。
内部要因は煎れ出尽くしての
飛びつき買い。
そして現物ヘッジが盛ん。
●編集部註
 先日触れたように三波伸介は
82年12月亡くなったが、
この年の11月には
ソ連のブレジネフ書記長
10日に亡くなった。
 その昔、スターリン暴落というのがあって、
ソ連の政治指導者の死亡は
何かと相場の変動要因と関連しやすかった。
そうでなくともこの頃は、
キューバ危機の頃に比べれば
マイルドになったもの、
依然として東西冷戦の真っ只中である。
 核戦争の恐怖を描いた映画は
当時一つのジャンルとして確立されていた。
 ただ、この頃になると
書記長一人が死んだとて、
相場は急落すれども
回復するのが早かった。
為替相場を除いては…。

怖いようだが 満つれば欠くるは世のならい (2018.11.30)

昭和の風林史(昭和五七年十一月四日掲載分) 
輸大当限は完全天井の姿
輸大当限は
飛びつき買いさせておいて天井を打った。
小豆の強いのは今週一杯。
小豆相場は強気にさせられる材料が
声高になったが、
せいぜい今週一杯の強張りに終わると思う。

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当り屋につけ 泣く子と地頭には勝てぬ (2018.11.29)

昭和の風林史(昭和五七年十一月二日掲載分) 
当り屋と金屋に勝てぬか
当たり屋と、金屋にゃ勝てぬ―
といった輸大暴騰の場面だったが、
期近は山場である。
小豆がようやく六限月揃ったことは
ご同慶のいたり。
小豆は腐っても鯛といわれるほど、
まだまだ投機家の人気を維持している。
しかし懸念される面がないでもない。
ホクレンの一元集荷→価格管理相場。
行政介入。
次期枠絞り込みなど、
価格に対する介入が濃くなるようだと、
投機家はソッポを向き、
小豆から離れる。
相場は異常でない限り
自然にまかせるのが一番よい。
ところでこの小豆相場、
今週強張ったところの
先のほうの限月は売り場になろう。
市場は値頃観の強気が多過ぎること。
ホクレンの価格維持策や
一元集荷に期待が強すぎること。
しかし実勢面は
不況下にあって力がない。
相場的には八千円台の
九本の日足線が捨て子になって、
これを踏ませたいが、
三万円台の買い玉ウエイトも大きく
九千円台での浮動という場面。
これが今週後半になれば
日柄面で軟弱な足どりに変わり、
大局的トレンド
二万五、六千円大底取りの
総投げという本年最後の相場に
移る準備に入ろう。
輸入大豆はT社が名古屋市場で
長期限月の積極買いが、
東京、大阪に波及している。
T社に対する業界意向に
あたかも挑戦する如き観なれど
大衆は当たり屋につけの提灯。
業者は玉がほしいし、
ダミーから玉が出れば
建前も立つという感覚。
泣く子と地頭には勝てぬと言ったが
当たり屋と金屋にゃ勝てぬところ。
大阪当限は今月も
玉締めアンコールの空気。
しかし船は港に次々入るし
期近の逆ザヤ異常が叫ばれ
行政の目も険しい。
人は自分の得意技で失敗するという。
相場も危険地帯に入っている。
●編集部註
 賭博場の事を指すのに、
古来日本では盆、場、敷
という表現を用いた。
熱くなるので鉄火場という表現も生まれる。
 常設の博打場の事を常盆と呼ぶ。
その盆での勝負に暗い人物の事を
盆暗と表現し、
転じて頭の回転が鈍い者、
精彩を欠きうだつの上がらない者を
〝ぼんくら〟と呼んだ。
 こうした言葉の語源を辿って考えると、
日本の商品先物取引を管轄するお上は、
今の今に至るまで盆暗と言えるだろう。
 中には
江戸時代の長谷川平蔵や
昭和の高橋是清など、
盆暗ではないお上もいた。
ただ、決まってこの手の人物を
盆暗達は「山師」と陰口を叩く。
 大抵が嫉妬であり、
盆暗の盆暗たる所以である。

実に頼りない あるかないかは済んでからの事 (2018.11.28)

昭和の風林史(昭和五七年十一月一日掲載分) 
輸大期近高はつぶされる
小豆は強気できない。満を持して売る。
輸大先二本に
T社筋積極買いだが怖くない。

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