証券ビュー

森羅万象

戻り売り人気 だが再び反騰へ (2015.08.06)

昭和の風林史(昭和四八年八月四日掲載分) 

市場人気は戻り売りに片寄っているが、
規制緩和後は
案外大きな立ち直りが見込める小豆だった。

「渋の用かねて杜氏の夏見舞 華羽」

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規制緩和せよ 人気回復が先決 (2015.08.05)

昭和の風林史(昭和四八年八月二日掲載分) 

小豆は人気が離れてしまっているから
ギコチない動きになる。
規制の緩和が待たれる。

「いつしかに沙羅の落花も消えてなし 山彦」

第八ラウンド。どのような相場が展開されるであろうか。

新ポ、一月限のサヤは買えなかった。
今までの新ポの様子とは、だいぶ違う。

高値から二千五百円を下げたいま、
業者は、きつ過ぎる規制の緩和を期待している。
作柄のほうも産地の降雨で旱ばつが避けられそうだ。

また、買い方も、
自粛すべきところは自粛して無茶をしなかった。

結局、言ったとか、言わなかったとか
騒いだ農林省の役人の
『二万円を付けたら取り引き停止』という、
おどかしのような警告が、
この相場の毒気を抜いて、
それはそれなりの効果を挙げたことになる。

十一、十二月限の売り玉は、
窒息しかかっていたが、
日に日に酸素を得てだいぶ楽になりつつある。
しかし残念ながら売り玉はほとんど踏んでいるし、
現物裏付けのヘッジ玉でしかない。

買い方は十二月限の八千五百円から
九千円を思い切り買ったままだし、
十一月限の八千円台の買い玉も多い。

それらは、今のところじっと我慢の子である。

なあに、巻き返しが必ずあるさ―と、
それほど気にはしていないようだ。

さて、悪目買いにはいるにしても
下値をどのあたりに見るか。

十二月限の七千円割れは買い場になろうという見方と、
六月22日の安値十一月限で一万五千五百六十円。
九月限の四千百三十円。
ストップ安で付けて、あと大逆襲に転じたわけだが、
あのあたりに足をつけるのではないかと見る向きもある。

注目しなければならないのは
燃えていた上場全商品の相場が、全般に夏バテ。
夏枯れ気味なことで、
これはシカゴ大豆の相場でも
五月末ブッシェル当たり十二㌦を突破したものが
七月上旬七㌦まで崩れ、
あと上場に転じて高値顔合わせ。

とうもろこし、小豆も大幅安のあと
新高根に買われたように
高値圏の波乱が小豆にも当てはめられるのかもしれない。

当面、高値買い玉の整理。規制の緩和待ち。
作柄の推移。秋の天候と需要。
府県産小豆の作況などを見守りながら
人気の回復を待つところだ。

●編集部注
古今東西問わず、政が相場に絡むと罫線が歪む。
七月の罫線は突飛な線やマドや星が出ている。
八月は金大中事件等、

世相が不穏な空気で充満する。 
不穏な空気の中、
商品市場の仁義なき戦いは
映画同様、泥沼化していく。

【昭和四八年八月一日小豆一月限大阪一万六五一〇円/東京一万六五九〇円】

じき見て逆襲 まず、ふるい落とし (2015.08.04)

昭和の風林史(昭和四八年八月一日掲載分) 
ストレートの下げ。
高値買いつきの玉が投げている。
買い方は巻き返しに出なければならない。

「眠たさのうなじおとなし天瓜粉 秋桜子」

旱ばつは
相場を押し上げる材料にはならなかったが、
帯広の降雨は旱ばつ解消で相場を突き崩した。

という事は、
相場が、かなり疲労していることを知る。

高値での、だんご型。買い方の高値掴み。
農林省の二万円という値段監視する強い態度。
厳しい規制。人気の離散。
すでに聞きあいた買い方の買い根拠。

そして最も注意しなければならない日柄の経過。

さらに、当先の異常なサヤの拡大による
先限へのサヤ取り商いと、
東穀の実施した長期早渡し制度による
先限への現物ヘッジ。

この間、消費は止まり、
消費地在庫は増大の傾向。
買い方主力は時節をわきまえ、
じっと我慢の子で沈黙を守った。

一般的に小豆に対する人気は、
辟易している。

買い方が強く攻めたてると、
ひと場で地合いが硬化してしまう。

近寄らぬほうがよいという人気だ。
すでに手亡がまったく相手にされていない。
高かろうが、安かろうが、関係ないという存在だ。

小豆もそれに似た動きである。
そして高値を知らず知らず
買いついてしまった。
買い主力にチョウチンをつけたのである。

相場が、はっきりと精細を欠きだしたのは
七月13日・金曜日からである。

その後、買い方は、
遠慮気味に買いの手を散発的に入れるが、
相場基調は以前のように精気が見られなかったし、
産地の旱ばつがどれほど言われても
頭重い症状から抜け出せなかった。

しかしこの戦いは
このままピリオドを打ってしまうとは思えない。

相場そのもの、
純相場論(今では古典的相場観とでもいうべきか)
から言えば
大天井打ち→戻り売り→大幅安となるわけ

だが、巨大な勢力が
市場に介在している限り、
いつまた暁の大逆襲が展開されるか判らない。

それは相場強弱ではなく
買い方の懐勘定と
買い主力の感情の二ツによるものである。

高値で買い玉をひろげたちょうちん筋は、
あきらかにふるい落とされる。

売り方にとっては、
ほっとした場面だが、
まだまだ売り値にはほど遠い。

七千円割れから
いずれ強烈な陽動作戦が展開されよう。

●編集部注
 純相場論通りだった。
 しかし、それは後になってから判ること。
 相場は悲観で生まれ、
懐疑で育つという。
ここは懐疑に塗れていた。

【昭和四八年七月三一日小豆十二月限大阪一万七一二〇円・一七〇円安/東京一万七二九〇円・一八〇円安】

人気完全離散 手亡に似た動き (2015.08.03)

昭和の風林史(昭和四八年七月三十日掲載分) 

小豆を見ていると
手亡の二の舞のような虚無感を感じる。
人気の離散が目につくのだ。

「夾竹桃しんかんたるに人にくむ 楸邨」

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大義名分待ち 無言居合い抜き (2015.07.30)

昭和の風林史(昭和四八年七月二十五日掲載分)

大義名分のたつキッカケ材料待ちの買い方。

65日の延長国会に期待する売り方。産地に焦点集まる。

「じっとして黒きかたまり夜釣船 つる女」

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