証券ビュー

森羅万象

玉の仕込み場 寿命の長い相場 (2016.01.14)

昭和の風林史(昭和四九年一月十二日掲載分)
小豆相場の先行きを考えれば
やはり流通、作付け、天候、生産コストの面から
上に行くしかない。

「風花の華やかに舞ひ町淋し たかし」

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先高期待だが いま決め手なし (2016.01.13)

昭和の風林史(昭和四九年一月十一日掲載分)

安ければ玉を仕込みたい
という顔つきの市場である。
上昇のためのエネルギー蓄積中の小豆。

「相撲取の金剛力や鏡割 鬼上」

心なしか車も少ない。
東京駅は節電のため薄暗い。
ホテルもひっそりしていて、温度も低い。
ビルによって
時間制で暖房を切っているところもある。
わびしい限りである。

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異常乾燥続き 懸念される天候 (2016.01.12)

昭和の風林史(昭和四九年一月十日掲載分)  
一万八千円近い小豆が高いか、安いか。
それはやはり今年の天候次第。なんともいえない。

「かつぐ背に大判ゆるゝ福の笹 緑水」

七日正月も済んで、今日は十日戎。
大阪には今宮、堀川、野田など
各所に恵比須神社があって賑わい。

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新春酩酊随想 高安は時の流れ (2016.01.08)

昭和の風林史(昭和四九年一月九日掲載分)
高ければ安いし、安ければ高いし、
あたかもそれはシーソーのようにしながら
水準を高める。

「粥あつしまどかに落す寒卵 忠一」

縁側にまでお正月の陽がさして、
石油ストーブとガスストーブと電気ストーブとを
お正月だから全部赤々とつけて、
お座敷に温度計を置いて
二十七度ぐらいまで室内をあたため、
さっぱりと浴衣(ゆかた)に着がえ、
庭の日の当らない場所に積み上げて
充分に冷やしておいた麦酒を飲もうと思った。

すでに、こういうことを
しようとするからには、かなり酩酊している。

日本酒を呑んで、ウィスキーのソーダ割りを飲み、
山中国男氏から戴いた一九六七年産の白葡萄酒を
一本あけて、デザートに麦酒という趣向である。

寒月懸れる針葉樹林

橇の音氷りて物皆寒く

野もせに乱るる清白の雪

しじまの暁ひひとして舞ふ

ああその朔風飄々として

すさぶる吹雪の逆巻くを見よ

ああその蒼空梢つらね

樹氷咲く壮麗の地を此処に見よ。

ラジオで北大 恵迪寮 寮歌をやっている。

歯切れのよいこの寮歌を聞いていると
商品研究所の菊池栄氏が
目の前で酔っぱらっているような錯覚に陥った。
菊池氏の横に森川直司氏がいる。
東穀の森川氏は
寒の滝にうたれて精悍そのもの。
森川氏は小生が海に落ちた夢を見たという。
僕は菊池の栄ちゃんが歯をはらして
田中さんみたいに
顔のゆがんでいる夢を見た。

うづまく硝煙飛び散る弾雨、
万兵ひとしく大地をけって
オーターローは、かばねの小山、
運命いかにああフランス、
運命いかにああフランス。

などとやっていたら
相場がどちらに動いても
いいと思うようになってきた。

読者は、きっと、こう思うだろう。
風林はまだお正月気分が抜けよらん―と。

左様。大阪は、
えびすさんが済むまでは
バタバタしない事になっている。

そして当社では去年の暮れ
土井健三、西沢徳三両氏から
お歳暮に戴いた(ように思う)
こもかむりを開けなければお正月は済まない。

さて、相場はと眺むれば
高きもあり、安きもありてお目出たい。

小豆相場にしても安ければ高くなるし、
高ければ押したりするのがよい。

●編集部注
過去の事象を調べてみると、いろいろ面白い。

昨年、世界遺産に登録された軍艦島は
炭鉱の島であったが、この年の1月に炭鉱が閉鎖。
4月までに全島民が島を去る。

【昭和四九年一月八日小豆六月限大阪一万七五〇〇円・一〇円安/東京一万七四四〇円・二〇円安】

好買い場露呈 警戒人気が強い (2016.01.07)

昭和の風林史(昭和四九年一月八日掲載分)

えびす天井を警戒して利食い先行。
また高値に惚れて新規売りが嵩む。
よい傾向と言える。

「寒鯉を見るやうすうすと群なせる 秋桜子」

どこかのパーティーの時に

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