証券ビュー

森羅万象

「普請場に鉋屑散る鳳仙花」 恒明 (2016.08.30)

昭和の風林史(昭和四九年八月二十四日掲載分)
安心買い地点 八千円奪回作戦
小豆の今回の下げは
二月四日からの新しい相場の初押しと見る。
一段上げ終了二段上げ開始―と。
「普請場に鉋屑散る鳳仙花 恒明」

値段が固まるまでには
時間がかかりそうに思える小豆相場の動きだが
そこは入った。

古品の一万五千円。新穀の一万七千円。
やはりひとつの値ごろである。
古品六千円の新穀八千円
といわれたところからそれぞれ千円下である。
足取りは千八百円下げで千円戻して
千八百円下げたところで、
千円戻した地点を山梨は戻り天井と判断して
売りポジションに回った。
鮮かな変身であった。

先限引き継ぎの千円棒は
一段下げ、二段下げの格好である。
ここで戻して三段下げ
という見方にとらわれているという人も多い。
市場は随分と弱気がふえた。

九千円台の買い玉がまだ未整理だという。
しかし
八千円割れを、かなり売り込んだ形跡もある。

繊維商品のほうは、
大きな台風が通り過ぎたあとのようだ。
屋根の瓦は飛び、壁が倒れているのを
眺めて家々から出てきた人たちは怖かったですねと、
その凄さを語り合う。

しかし乾繭にしても
豊橋①千九十九円②千百九円③千百七十三円
と三段下げを完了し、
前橋も①千百三十円②千三百三十六円③千百六円
と綺麗な三段下げを完了した
と山文産業の秋山素男調査部長はいう。

生糸、毛糸も新安値を叩いて底が入った。

秋山氏は手亡はまだ大きな相場を残している。
手亡の今後の上伸は未知なる世界だ。
小豆も買い場だ。
これはズンズンケイ線用紙を
継ぎ足していく上昇ではないが
高水準での二千五百円ないし
三千円幅の逆張り型―と見ていた。

多くの小豆相場の玄人は、
昨年の呪われた大暴落に恐れをなしているが、
今年の場合は、
ああいう相場にはならない。
その事は〝小豆相場を考える〟で書いた。

いまの市場は万人総強気という雰囲気ではない。
その逆である。
そして、あたかも天候相場は平年作で、
もう終わったかのように決めているが、
勝負は俵(たわら)に入れてみるまで判らない。
産地の長雨、低温が続けば
相場は敏感に反応を示すだろう。
大局的には二段上げ後の押しと見る人もあるが、
筆者は、あくまでも
二月四日からの一段上げ完了による押し目
と見るものだ。

●編集部註
 〝勝負は俵に入れてみるまで判らない〟
とは名言である。
全相場に通じる。

【昭和四九年八月二三日小豆一月限大阪一万七六〇〇円・一五〇円安/東京一万七五九〇円・一一〇円安】

「運河暗し秋暑捨つべき処なく」 碧雲居 (2016.08.29)

昭和の風林史(昭和四九年八月二十三日掲載分)  
反動高が来る 下げ過ぎた相場
人々は不吉な予感を抱いている。
今年もまた呪われた夏の終わりになるのかと。
だが悲観は無用。
「運河暗し秋暑捨つべきところなく 碧雲居」

駄目だ!!
と観念のとどめを刺されたが如き

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「石垣の上おしろいの溢れ咲く 鯨洋」 (2016.08.26)

昭和の風林史(昭和四九年八月二十二日掲載分)
下げ余地浅い 値ごろ観は無用

今年の小豆の作付け減は
来年の小豆の作付け下限に繋がるだろう。
下げ余地の浅い相場と見る。
「石垣の上おしろいのあふれ咲く 鯨洋」

夜九時過ぎの新幹線で帰阪する予定が
朝九時半の新幹線になってしまった。

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「轡虫淀の町並そろはざる 草堂」 (2016.08.24)

昭和の風林史(昭和四九年八月十六日掲載分)
人気急速軟化 されど崩れない
相場の強弱は自由であるが
弱気せんがための弱気は無理が生じる。
新穀一万八千円は地相場だ。
「轡虫淀の町並そろはざる 草堂」
  

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「藪入れもせぬまで老いぬ秋の風 子規」 (2016.08.23)

昭和の風林史(昭和四九年八月十五日掲載分)
売っても駄目 水準は地相場だ
今の小豆の値段は妥当な水準である。
人気で浮いているのではない。
だから弱気しても下げない。
「やぶ入れもせぬまで老いぬ秋の風 子規」

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