「寒釣のいでたちしかと見えにけり」 舟月 (2017.01.23)
昭和の風林史(昭和五十年一月二十日掲載分)
大相場の序曲 颯爽堂々の行進
相場の押し目は竹の節(ふし)である。
伸びては押し、押しては伸びる。
小豆、手亡強気一貫。
「寒釣のいでたちしかと見えにけり 舟月」
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昭和の風林史(昭和五十年一月十七日掲載分)
まだまだ警戒厳重である。押さば買う一手。
手亡の初押し無条件界。先限五千五百円目標。
「鶯や谷間谷間の水の音 碧梧桐」
一月が六日発会。二、三月が三日新ポ。六月が二日新ポ。
十一月がなんと聞いたこともない四日新ポである。
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昭和の風林史(昭和五十年一月十六日掲載分)
早くも手亡は脱兎の如し。
五百円、五百円ではねていく。
小豆も八千円呼指の間に買われよう。
「箸紙の文字のよごれや小豆粥 野風呂」
昔は七日の七種粥、十五日の小豆粥を
全国各家庭でお祝いしたものだが、
昨今、そのしきたりは廃れた。
しかし、旧家では威儀を正して
小正月の粥を祝うところもある。
きさらぎの来月は三日新ポ。三月やよいも三日新ポ。
なんとなく相場が大荒れしそうな二、三月だ。
去年は二月四日立春大吉大底打ちの相場だった。
小豆は二月四日の一万四千三百円から
三月四日七千百五十円まで三千円弱を春早々に騰げている。
今年は出発点が高いところから始まる。
それだけに市場人気は警戒厳重である。
しかし小豆先限の一万六千円は誰が売ろうと叩こうと
割るに割れない絶対の大底で四、五月限の七千円台乗せは、
これは時の成り行きであろう。
天候のほうも、近年まれに見る大豪雪。
世界の天候はシベリアがポカポカ、
アメリカは場所によって死者の出る大豪雪と、
ポカポカなところとまちまちだ。
早くも天候のほうに投機家の関心が集まる。
本年は小豆の繰り越し在庫も豊作だし、
新穀30万俵のタナ上げもある。
従って天候相場の異常気象で小豆相場が
二万三千円→五千円、二万七千円と火柱に噴いても、
土俵があぶないとか、市場閉鎖の心配はない。
投機家は思い切って活動出来る運動場があるのだ。
しかも世界の砂糖相場は大天井打ち後の惨落で、
日本の砂糖も続落している小豆が高けりゃ砂糖が安い。
これは不思議な因果である。
大手亡だって、アメリカの天候が変だし、
作柄だってどうなるのか判らない。
大手亡の作付けは大幅に減るだろうし、
海外市況に再び火が付けば、
脱兎の如く五百円、五百円のS高で、
まさしく水がめから炎が立つわけだ。
二兎を追うもの一兎を得ずというけれど、
小豆と手亡、紅白の二兎を追えば今年の暮れは海外旅行よ。
そして来年が辰の年、再来年が巳の年。
相場界では昔から辰巳天井、午べたりというではないか。
今年から、いうところの高回り三年にはいる相場だ。
小豆の一万八千円で騒いでいたら
倍の三万六千円になった時には失神しなければなるまい。
●編集部註
三月と五月にストンと下げるが、
そこまで相場は大局的に凪である。
【昭和五十年一月十四日小豆六月限大阪一万七〇八〇円・二一〇円高/東京一万七一六〇円・一九〇円高】
「寒垢離や仰げば那智の滝高く」 五州 (2017.01.18)
昭和の風林史(昭和五十年一月十四日掲載分)
安心買い地点 爆進奔騰の姿だ
警戒人気が、こんなに強ければ、
小豆も手亡もこれからが奔騰だ。
むしろ安心買いの相場である。
「寒垢離や仰げば那智の滝高く 五州」
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「山の日の障子にありて寒見舞」 呉竜 (2017.01.17)
昭和の風林史(昭和五十年一月十三日掲載分)
若い相場だ!! 沸騰力充分あり
手亡も小豆も大底を確認しての大直りだ。
しかも相場は若い。市場人気は弱いだけに案外大きい。
「山の日の障子にありて寒見舞 呉竜」
小豆の七千円台、手亡の四千円台、ともに用心深くなる。
利乗り玉は、早々と利食うし、
新規買いは、押し目を待って―となる。
弱気維持者は、もう一発噴いたところを狙う。
オーソドックスな相場なら小豆であるが、
奇手(鬼手)が好きな人は手亡相場の性格を好むようだ。
全般の取り組みや手口を見ていると
専業筋は小豆より手亡のほうが注文がとりやすい。
証拠金の関係もある。
手亡は相場界の〝やんちゃ者〟である。定石破りである。
根本的には需給事情が小豆と手亡では違う。
小豆当限は安値から六百五十円騰げているあいだに
手亡当限千百円強を騰げている。
小豆一月限は一代の高値(八月八日)一万九千四百円から
(十二月18日)安値まで四千七百五十円幅を下げた。
手亡の一月限一代の高値(八月八日)一万九千二百円から
(十二月16日)安値まで七千九百八十円幅を下げた。
まったく違うような動きをしていて、
大勢的に小豆も手亡も天底するのは同一時期である。
ただ動いた値幅が違うだけだ。
さて、目先的にこの手亡をどう見るか。
先限で一万四千五、七百円あたりは、付く値段である。
すでに千円棒を軽く立てている。
大勢観では、この手亡の三千円高、即ち先限の一万六千円目標で、
ケイ線の急所(大阪)一万四千六百五十円抜けから追っても、
この場合、充分利食える相場と見るが、
安心していける手を望むなら、
一万四千四、五百円どころからの初押しを買い下がってみる事だ。
相場が若いという事、需給事情が小豆と違う事、
安値で随分弱気がふえて売り込んだ事などが相場に弾みをつけ、
急伸した事により人気を集めた。
一方、小豆のほうは手亡のような小回りが出来ない。
しかし、相場は一万七千四、五百円があって、
その辺りから押したとしても大底の入った若い相場の出直りだから
押し目買いに専心すれば、苦労する必要はなかろう。
小豆の七千円台は、売りものをかぶるだろうと総体に警戒的である。
マラッカ海峡みたいなところを通り過ぎれば
一万八千円台への速度を上げることが出来る。
●編集部注
相場とは関係ないが、昭和五十年の世相を調べると
「中核派書記長内ゲバ殺人事件」というのが出てくる。
犯人は革マル派とされるが、
その革マル派のアジトが平成二九年に家宅捜査されている。
まだやってたんだ…。
【昭和五十年一月十一日小豆六月限
大阪一万六九九〇円・四〇円高/
東京一万七〇七〇円・一〇円安】