証券ビュー

森羅万象

ばっちり王手飛車火がつけば大爆発 (2017.02.22)

昭和の風林史(昭和五十年二月十八日掲載分)
恐るべき線型 人々は凝視する
恐るべき取り組みと恐るべき線型の手亡相場。
火がつけば大爆発だ。人々は凝視している。
「雉子啼く浅間がくれに菖蒲の芽 普羅」

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ぶっ飛ぶ相場 火つけば二千丁 (2017.02.21)

昭和の風林史(昭和五十年二月十七日掲載分)
ぶっ飛ぶ相場 火つけば二千丁
火がつけば手亡がぶっ飛んでしまう。
このでかい取り組みは火山大爆発のエネルギーである。
「暮れそめてにはかに暮れぬ梅林 草城」
定期市場が落ち着けば、末端の庭はガラあきだけに
乾いた海綿が水を吸うが如く
安い古品小豆が消えていくはずだ。
『定期を買って、すぐ早受けして、
その日のうちに現物を運んだという現象が見られる。
だいたい二、三、四のこの三カ月の需要は
年間需要を一〇〇として27~30と見ればよいでしょう』
と山大商事の関口営業部長は、
いまに見ておれ売れるんだから―と希望を捨てていない。
二次問屋にしても店頭に荷物がない。
定期相場を見ながら買おう、買おうの毎日だが、
少しまて、もう一日まてで、
定期の安いうちは手が出ないけれど、
すでに定期前二本は大底圏。
止まったと見れば買い手が殺到する。
春が来たかと浮かれてみれば二千丁崩しの猛吹雪。
市場人気は、すくんでしまったが、
先二本厳然たる姿を眺めれば、絶望することもない。
さて、お隣の手亡相場のほうは依然として取組が太い。
思うのであるが、穀物師団の尖兵は身の軽い手亡連隊からである。
作戦要務令・戦闘指揮。
戦闘にあり攻防何れに出づべきやは
主として任務に基き決すべきものなりと雖も、
攻撃は敵の戦闘力を破摧し之を圧倒残滅する為、
唯一の手段なるを以って状況真に止むを得ざる場合の外
常に攻撃を決行すべし。

手亡の49年産は10月二千俵。11月五千八百俵。12月六千俵。
1月六千俵の約二万俵が北海道を離れた。
生産高四十八万八千俵。
出回り四十万俵として三十八万俵の供給余力だが
九月末持ち越し十万俵は常識だから、
今後二十八万俵の供給と見ればよい。
高くなればピービーンズの輸入圧迫が心配されるが
目下米国五大湖は凍結していて
四月中旬以降でなければ運行出来ず、
他の道をえらべば一俵あたり千五百円以上もコスト高になる。
火がつくなら手亡だ。
手亡のケイ線逆さに立てて人気寄せれば二千丁高よ。
万里の長城で小便すれば―というあれである。
ぶっ飛んでから、
たまげてみても六日の菖蒲、十日の菊で、あとの祭り。
●編集部註
 筆が踊っている。ノリノリと言っても良い。
 しかし、これは相場師としては危険信号である。
 当っているうちは良いのだが、
一度躓くと、このノリノリが、
全て裏目裏目に出る事がある。
 と、当の本人が後に相場格言に関する著書の中で書いている。
【昭和五十年二月十四日小豆七月限
大阪一万七一六〇円・二〇円高/
東京一万七一六〇円・変わらず】

「魚の氷に上るや天下春の風」 師竹 (2017.02.20)

昭和の風林史(昭和五十年二月十四日掲載分)
前二本大底圏 先二本厳然たり
前二本が大底を打ってしまうと、
小豆相場は小豆相場は様変わりして先二本が、
勢いを見せよう。
「魚の氷に上るや天下春の風 師竹」

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目先のアヤを考えず ダマしが入る (2017.02.17)

昭和の風林史(昭和五十年二月十三日掲載分)
買い玉は安心 一路強気の方針
少なくとも小豆、手亡の先二本の買い玉は
対極的に大幅な利が乗ることは約束出来る。
「白魚や雪のふりこむちぬの海 碧梧桐」

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初春、早春、仲春、晩春 季が移る。 (2017.02.16)

昭和の風林史(昭和五十年二月十二日掲載分)
閑散市場だが 大丈夫の買い場
浅春のたりのたり。薄商いの市場だが、大勢強気不変。
押したあとの強烈反騰は見えている。
「のどかなる旧正月や奥吉野 まき女」
初春、早春、仲春、晩春と季が移る。
きのうは建国記念の日。
昔の紀元節
四大節(四方拝、天長節、明治節)のひとつとして祝われた。
雲に聳ゆる高千穂の
高嶺おろしに草も木も靡き
ふしけん大御世を仰ぐ今日こそ楽しけれ

海原なせる埴安(はにやす)の
池の面より猶ひろき
恵の波に浴(あ)みし世を仰ぐ今日こそたのしけれ。

四十四、五歳以上の人なら歌う事が出来るし、
歌いながら小学校の校庭に咲いていた梅の花や、
畝傍の橿原や、神武天皇を書いた絵などが
脳膜に映し出される。
さて、小豆相場のほうは一月17日、31日、二月6日と
気分良く三回買ったが今ひとつ調子がつかない。
未だ機熟さずの感が強い。
しかし、前(期近)二本のような崩れは
先二本に限ってあり得ない事だけは確かで、
七千円割れの七月限など願ってもない買い場であろう。
人々は、49年産小豆の50万俵タナ上げを、
相場地合いがそうさせるのか、あまり深くは考えていないようだが、
今後の相場市場を思う時、ひと口に50万俵というけれど、
一万二千五百枚もの現物が凍結されるという事は、
穀物市場未曾有の巨大な仕手介入である。
一俵平均一万七千円の相場として50万俵は八十五億円の商品である。
タナ上げ機関としても重大な責任があろうし、
ここで価格が五%でも下がるとすぐに四、五億円の評価損になる。
先行きの見通し、即ち今年の作付け動向、
そして天候、先物市場の構造など、充分に研究した上での
50万俵タナ上げである事は疑う余地がない。
市場での先入観になってしまった一万七千五百円以上は
ホクレンが大量につないでくるという見方は、
あまりにも物事を単純に見過ぎていよう。
いまは、
前二本の限月の玉整理で高値因果玉が大掃除を余儀なくされ、
これが全体に影響しているわけだが、投機市場の風向きが、
ちょっと変われば先二本、五、七百円幅の押しなど、
瞬間的にはね返してしまう相場である。
手亡相場も目先筋の飛び付き買いの玉が
薄商いの市場に投げていて、軟弱に見えるが強気で大丈夫だ。
●編集部註
日足罫線には、買い方の心の拠り所が見える。
それは昭和五十年一月二九~三十日のマド。
上下変動は相場の常。
ただ、下げてもこのマドを埋めて後、
反騰するという見方が出来る。
【昭和五十年二月十日小豆7月限
大阪一万七一七〇円・九〇円安/
東京一万七三〇〇円・三〇円安】