証券ビュー

森羅万象

値位置慣れ 次の魔坂の伏線 (2017.03.01)

昭和の風林史(昭和五十年二月二五日掲載分) 
強い基調続く 垂れ込みを買え
手亡の節足は押し目を入れたあとの高値更新の値段を買えば
早い利食いが出来る姿になっている。
「春雨や奈良は昔の寺多き 鳴雪」 

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「片栗の花とも知らず見過ぎけり」 漂舟 (2017.02.28)

昭和の風林史(昭和五十年二月二五日掲載分)
手亡高値更新 矢は弦を放れる
遂に手亡に点火した。矢は弦から放れる。
手亡に春来れば、小豆おのずからまた開花す。
「片栗の花とも知らず見過ぎけり 漂舟」

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「この道しかない春の雪降る」 山頭火 (2017.02.27)

昭和の風林史(昭和五十年二月二四日掲載分)
奔走の姿示す 買い玉温存せよ
週末の手亡相場の引け味は、
非常に張りのあるもので週明け奔走してもよい格好である。
「この道しかない春の雪降る 山頭火」

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「提げて来し壬生菜の雪を掃ひけり」 冬水 (2017.02.24)

昭和の風林史(昭和五十年二月二二日掲載分)
強さを確認す 買ったまま待て
相場は閑だが手亡など、その地合いは非常に強いものがある。
強気したまま春暖を待つところ。
「提げて来し壬生菜の雪をはらひけり 冬水」
三日ばかり上京していたが
都内のホテルというホテルは受験生のため、いずこも満室。
新幹線も親子づれで満席の状態。
業界では法改正を目前に控え多忙だった。
全商連は全商連好みの泥縄式一般紙記者会見。
参集いただいた方々にお昼を御馳走する予定だったが、
そういう接待があるのなら出席しないという申し入れがあり、
事務局日ごろの怠慢が露呈された。
全協連のほうは例の一〇〇%共同補償の各論についての会議。
新法では一〇〇%完全分離保管を選ぶか、共同補償を選ぶか、
取引員は選択の自由があるように思えるが、
主務省側や、全協連首脳陣は
全取引員揃って共同補償のほうで行って欲しい。
いや、当社は一〇〇%分離保管で行きたい―
という取引員がかなりあるため、
纏め役の全協連当局は難儀である。
雪の降る21日は
〝繊流研〟という繊維取引員協会の政治団体みたいな会が
代議士先生を集めての朝食会。
法改正には、なにとぞよろしく。
その見返りに総選挙も近いと聞く。
わが業界の全協連には共同事業の予算があって、
選挙資金もここから出せる―という高度な話。
そうかと思えば来月の連休に
韓国の公認賭博場の開設何周年記念かで、
わが商品業界の各社成績優秀社員およそ二百名の
団体を編成して乗り込もうという計画も進んでいると聞く。
まさか全協連の共同事業の一環ではあるまいが、
業界では、いや読売新聞の広告の件もあるので、
全協連が予算を出すかもしれないね、
と良識を疑うような冗談も聞かれ、それならいっその事、
共同補償方式でやればいいじゃないかと話が飛躍する。
それやこれや、あるいはアウトロー・セールスの移動や、
無登録セールスの白昼堂々の跋コなど、
業界首脳者のタガがゆるむと
一夜にして無政府状態になるなど、
憂慮すべき事どもである。
その間、相場のほうは時間調整中。
大勢としては小豆、手亡ともに買い方針であるし、
手亡などその地合いは非常に強いものがあって、
まさしく一触即発。
相場が閑なあいだは業界の事など書いて待とう。
●編集部註
 成績優秀セールスが、
ご褒美で賭博場のある外国へ旅行するという風習は、
平成でも残っていた。
 古今東西を問わず、
タガがゆるむと何処も同じという事は
映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』を観ていると判る。
【昭和五十年二月二一日小豆七月限
大阪一万六八五〇円・一五〇円安/
東京一万六九九〇円・一五〇円安】

ニッパチ月 わりに相場は強い (2017.02.23)

昭和の風林史(昭和五十年二月二一日掲載分)
手亡一触即発 小豆は春寒料峭
実勢はいかにも悪い。
悪いを通りこして底抜け現象が各所に見られる。
だがそのわりに相場は強い。
立春からしばらく四月のような陽気の日がつづいた。
それがここ数日、北海道を除いて
全国的に冷えこみ日中の気温もあがらない。
天気図を見るとモンゴルからシベリアにかけて
一〇五〇ミリバール以上の高気圧が
上空五〇〇〇メートルで氷点下四二度という最大級の
寒気を伴って南下中であるという。
今週末にかけてまた一段と寒さがつのりそうだ。
二月はニッパチ月といわれて、
一年中で一番景気の悪い月であると昔からいわれる。
実際、給料前のせいもあるのか、
このところ夜の盛り場の人出も極端に少なく
午後八時前になるとターミナルでもガラすきとなっている。
レイオフ、賃金カットというようなきびしい現実が
ニッパチ月と寒さと折り重なって
重苦しく人の心にのしかかってきているのが読みとれる。
これでは相場のほうも全般的に迫力を欠くのは当然かもしれない。
日本以外の各国が次々と先を争うように、
公定歩合を引き下げてきたことから急反騰に転じたNYや
ロンドン株式高に刺激されて予想外に反発したわが国の株式相場も、
ここへきてその騰勢を頓挫させ、
もたついているのもこうした実勢悪から
目をつむることができないからであろう。
ところで話を穀物相場に戻してみよう。
現在値を去年の今ごろと比較すると小豆は去年とほとんど変わらない。
すなわち去年の二月二十日の大阪市場の後場大引けは
当限一二、九一〇円、先限が一六、四四〇円、
昨日の前場引けは当限が一三、二一〇円、
先限は一六、九七〇円でそのひらきは僅か。
これに対して手亡は去年と比較して千円ほど安い。
人気が集中して取り組みが史上最高になっている手亡が安く、
人気離散気味の小豆が去年より多少とも高いのは、
手亡は先ごろのピーショックの尾を引いているからであり、
小豆はホクレンの五十万俵タナ上げの影響からだろう。
そこで実需、仮需とも不振という現実から
当面脱しえない小豆にくらべて取り組みの急増した手亡が
実勢悪にかかわらず飛び出しそうな雰囲気が強い。
あばれん坊・手亡は無気味な動きを孕んで
活躍の舞台の幕のあがるのを待っていると思われる。
●編集部註
当時の英国はイギリス病の渦中。
この年自動車産業を国有化している。
【昭和五十年二月二十日小豆七月限
大阪一万七〇〇〇円・一〇円高/
東京一万七一四〇円・九〇円高】