証券ビュー

クアラルンプール9日発ふーりん東南アジアを飛ぶ (2016.03.23)

昭和の風林史(昭和四九年三月十五日掲載分)  
鏑木発信
★ネクタイまで締めて
マレー半島の最高の避暑地シンゴラから
ペナンに飛んでペナンヒルのケーブルを約30分で
800メートルを登る。

その途中で猿が鳴いているような声を聞く。
あれは猿ではなく、
長さが8センチメートルもある蝉の声と教えられる。
もうここでは蝉が鳴いている。
日本の蝉の鳴き方はせわしないけれど、
ご当地は住人同様、蝉までのんびりと鳴く。
一行の誰かが盛んに録音をとる。

ペナンの夜はシンゴラの夜と同様。
(この項帰国後詳報・メモ多数)
早朝ペナン発、
クアラに快適なジェット機で約35分で着く。

クアラのホテルにて昼食。二時から取引が始まるという。
〝MRELB〟(マレーシアゴム取引所・許可事務局)へ
背広にネクタイを締めて
録音テープ、カメラ、フラッシュなどをたずさえ
気温36度の中を二十数名が行く。

ご当地の二時ごろは日中でも最も暑い時分、
ネクタイなど締めている人は一人もいない。
その中を総体に黒っぽい背広を着た一団が
神妙な顔つきでカメラをさげて行くのだから
まったく異様なものである。

誰かが言った。日本人の悪い癖だ―と。

彼はペナンやシンガポールに
合弁の会社を持つところの一人で、
現地の人は「日本人はなぜこんなに暑いところでも
背広を着てネクタイをしてくるのだろう。
われわれにはまったく理解できない。
うちとけようとしてもあれではどうにもならない」
といつも言っている―と。

★実際には山賊も出る
取引所のあるビルのドアを入ると
散弾銃を持って腰のベルトに散弾を8発詰め、
ターバンを巻いたインド人の警備人がいる。

ビルの五階に取引所があるが、
このガードマンは取引所のためではなくて
このビルのシンガポール・マレーシア銀行が
雇っているものらしい。
聞けば、まだ実際には山賊が出るとか。

五階に上がる。
〝MRELB〟は広々としたワンフロワーのオフィス、
約百坪ほどもあるだろうか。
受付の前には藤椅子が四ツ、カーペットの上にある。
更紗を巻いたインド系美人と青年がそこで話している。

なんとなく場違いな感じがする。
各デスクはパラパラと広い間隔を置いて配置されている。

来訪を伝える。
約三分(かなり長く感じる)。通じないのかと思う。
そのうちなにかトラブルが発生しているように見える。

★ここまで来て猿芝居
理事長は三月上旬、日本に来ていることは知っている。
副理事長には、われわれが来ることをすでに通知している。

さらに狭い入り口で待つ。
一行二十数名の表情は、なんだろうかと疑念の色濃い。
結論を先に言えば、われわれは、
猿芝居をはるか東京より直線距離五千キロ
(香港→バンコック→シンゴラ→ペナン→クアラ)を
南下して来てまでやっているのだった。

理事長は〝会えない〟と東京ゴム取に
だいぶ前に電報を打っている。
今日副理事長はペナンに避暑に向かった―と。

われわれは今朝ペナンから来ている。
あきらかに逢いたくないことを知る。
ペナンとクアラの途中の上空で
彼とわれわれは瞬間すれ違っているのだ。
(あと続いて発信)

途上を生きるのが青春 中間反騰が終わると岐路を迎える (2016.03.23)

週明け高い。日経平均一時382円高。5日振りに反発した。円高が一服し買い戻しが入ったほか、配当取りも目立ち戻り売りをこなした。東証一部の値上がり1732に対し値下がり163、変わらず51。

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追い込みダッシュ 中央紙器 3月23日 (2016.03.22)

連結ピーク更新視野 

重点取り組みに徹し反転に意欲

企業HPご案内   前回の企業レポート

中央紙器工業(3952)はダッシュ。4Q追い込みに拍車。来期につながりそうだ。昨年11月5日の下方修正によるもので、自動車や電機関連など主要取引先の輸出減少や荷動き伸び悩みが主因。

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ペナン8日発ふーりん東南アジアを飛ぶ  (2016.03.22)

昭和の風林史(昭和四九年三月十四日掲載分)  
鏑木発信
★誰も彼も言葉がヘン
ゴム・ミッションの一行に同行して、
香港→バンコック→ハジャイ→ペナンとだんだん南下。
明日は早朝マレーシアの首都クアラルンプールに入る。
纒まった原稿を送る予定が
連日32度~34度の暑さとスケジュールに追われ、
頭の中はとりとめもない。
ただメモ、メモで追われ、
カメラの中の収穫も豊富。
面白いことに誰も彼もが言葉つきが変になっている。
日本の文法が崩れ、片言の英語や中国語などがまじって、
それでどこへ行っても通じる。
食事に関しては心配していたよりも口に合うので
みな太り気味。
誰もが陽気に食べ、
なんのトラブルもなくスケジュールを消化し、
通貨の換算もようやくなれて、南十字星を眺め、
赤道を越えてさらにな南下するこれからの旅程に
強い自信を持っている。

★ゴムの樹も痛かろう
今朝タイ国立ゴム研究所で
ゴムの樹からポタポタと白い液が流れ出るところを見て
感心することしきり。
同研究所のフランス人所長は大変ユーモアのある方で、
スモール・ホルダゴムの小農園は、
ゴムの相場が高いとゴムの樹がどのように痛もうと
一日に二回も採取するからゴムの樹はかわいそうだという。

★RASSの選別風景
昨日はハジャイの強烈で異様な臭いのする工場を見学。
女子労働者は小学校二、三年ぐらいの年頃から
二十二、三才ぐらいの年齢で、これらの人々がおよそ八十名。
広いところでハサミを持ってRASSの選別に余念がない。
ハサミの音と異様な臭いと暑さで大変な作業だと思った。
この工場の名前もその時の説明も皆メモし、
録音テープに入れてあるが、
未整理(ゴム研究所所長の説明もテープに保存)。
皆が協力して
写真、録音、通訳、解説等を受け持っているため、
帰国後これら資料が統合整理されたらかなりのものとなろう。

★頭はガンガンし通し
ところで小豆相場のほうはどうなっているのだろうか。
不思議なことに、日本の国の事も相場の事も、
まして会社のことも家族のことも、
まったく頭の中にないのはなぜだろうかと思った。
それは追われているスケジュールと
暑さと通貨換算率や見聞することがあまりにも多すぎるため、
頭の中が一杯になり、
そういうこと以外考える余地がないからであろうか。

★帰るのが嫌になる!?
バンコックに行けばここに住みたくなり、
ハジャイに行けばなんと物価が安いのに驚き、
遠浅のソンゴラに行けばその地に永住したくなる。
ましてペナンに来て、ペナンヒルからマレー半島を望めば
もう日本に帰るのが本当に嫌になるような
非常に危険な状態になるのは小生一人だけだろうか。

日本のようにあくせくせず、
まったくのんびりとした風景、
どこへ行っても本ものの味のする美味で
非常に安い食物、
南下するに従って人々の純な気持ち。
日本には、もうないものばかりが
ここにあるように思う。

★だが物騒で、不衛生
しかし半面、水道の蛇口から出る水は
絶対に飲めないことや
バンコックのように裁判所でさえ賄賂次第で白を黒にし、
黒が白になる法と秩序のない怖い面もあって、
旅行者だから行った土地々々が
信施インで強烈に見えるのだろう
(税関で賄賂取られる)。

とりとめもない原稿になったが、
場面が余りにも早く移り変わるため、
頭の中の整理がまったく出来ていないことを知る。
これは帰ってから充分に整理すれば
充分面白い原稿が書けるのではないか
と今から楽しみにしている次第。

★あすは本紙とご対面
明日の楽しみはクアラルンプールのホテルに
当社の新聞が多分届いていることで、
まず相場表を眺め、
小豆相場を身近に思い出すことかもしれない。
華人の新聞を買って読んでみるが、
英国の政治と金価格ばかりが大きく取り扱われている。

年度末逆三尊の出直り 逆に4~6月円高株安で巻き戻し (2016.03.21)

前週末見送り。日経平均一時322円安。4日連続下押した。16日米再利上げ後退を受けた翌日、海外で1ドル110円67銭をつけた円高が主因。105~110円が視野に入り輸出とインバウンド関連中心に軒並み安い。

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