踊り場で綱引き 旭化学 4月17日 (2013.04.16)
タイが第3のエンジン
3極で連結100億円視野に
旭化学工業(7928)は踊り場。目下、タイ立ち上げと自動車1割増産が綱引き。相対的に中国が現在の収益を支えている。前回、50周年の節目。正念場と述べた。尖閣や竹島領有を巡り中国や韓国と対立。尾を引いているためで、昨年11月以降の円安株高も自動車増産に跳ね返った程度。タイ稼働が1Qから2Qにずれ込み、売上高500万円(営業損失3200万円)にとどまったのが誤算。3、4Q追い上げるという。2Q連結累計は、9%減収に対し営業利益6900万円、経常利益8900万円、純益5700万円の折り返し。4月9日の修正発表によるもので、急激な為替変動と自動車新部品の寄与(人件費・外注加工費増)が主因。通期では3、4Q持ち直し計画より14%増収の見込み。タイ子会社の償却負担増が重し。営業を強化して拡販、海外生産のメリットをひき出すという。現状では中国で買った方が安いといわれ急務。3Q発表(前期7月10日)が注目される。
2013年8月期(連結)は、売上高65億円(1%増)、営業利益1億5000万円(57%減)、経常利益1億8000万円(49%減)、純益1億1000万円(58%減)に見直した。配当8円(中間4円)の予定。国内自動車、中国で電動工具増産が見込まれ後半乗り切るところ。来年から長大の上昇運。杉浦社長(45)の上昇運と重なるためでタイが第3のエンジン。設備投資(6億円)も中国と肩を並べるだけに、10年後3極体制で連結売上高100億円が視野に入る。いわば、トヨタとマキタの「世界戦略」に与するもので一流のあかし。減益になった前期、今期の仕込みが反転のエネルギーと考えられる。15日477円(1株当たり連結純資産1274円)で引けたままボトム圏。事実、トヨタとマキタの上方修正を好感するポジションにつけている。