回復持ち越す トランシ― 4月10日 (2013.04.09)
新規取引拡大し増収
リフレ政策跳ね返りTPPも
日本トランスシティ(9310)は踊り場。前期8月7日上方修正し、2月12日下方修正。今期に回復を持ち越した。前期2Qから国内、中国、世界経済の落ち込みを反映。日銀の大胆なリフレ政策が半年、1年後実体経済に跳ね返るとみられるためだ。今期は新中期計画最終年度。三たび連結売上高1000億円、経常利益50億円を唱えプレッシャーに違いないが、国内外、人材、情報システム、拠点などグループ挙げてインフラ整備。除却、更新、新設など事業再構築。2月の下方修正も顧客、貨物、業務立ち上げなど新規取引に伴う先行投資が主因で、3期連続増収を確保した模様。4月1日の入社式。新卒者44人(1970年の100人がピーク)に対し、小川社長(64)が変化の真っ只中、君たちが主役といった趣旨で挨拶。2015年に創業120年を数え代替わりの印象を受けた。単体の平均年齢が39歳で中間層が厚いだけに、むしろ130、140周年が楽しみ。欧米のほかアジアの拠点が面になればもう一皮むける。今後3、4年延べ200億円といわれる設備投資によるもの。欧米の金融危機を通じて実体経済が見直され、アジアが新興市場をリードすると考えられるためだ。同郷のイオングループがダイエーを吸収合併し小売業トップになったが、同グループとの取引推定1、2割とみられ医薬品、100円ショップ、靴など新規取引拡大。インフラ整備、事業再構築に拍車がかかっている。一方、インフレや防災の備えから物置、倉庫需要が伸びており今、来期の仕込みが後になって効いてくる。
2013年3月期(連結)は、売上高860億円(3%増)、営業利益33億円(19%減)、経常利益40億円(15%減)、純益25億円(16%減)とサプライズなし。配当9円(期末5円)を据え置く予定。設備投資50億円(直前期25億円)。今期も同程度とみられ増収増益を見込んでいる。決算発表(5月9日)が気になるところだ。会社は上昇運途上で2015年から快調。社長も同運だけに2013、14年にかかってくる。倉庫業は低収益で投資回収に30年といわれるが、外資系の日本上陸、自由化と連動して3PL、アウトソーシングが浸透。7月以降日本がTPP交渉に参加するとビジネスチャンス。10年、20年後を左右しそうだ。