前期から攻勢 大同メタル 4月3日 (2013.04.02)
順調にいくと予想以上
次世代のインフラ構築本格化
大同メタル工業(7245)は端境期。前期から次世代のインフラ構築本格化。2期目に入った。海外でも「地産地消」を目指し、国内と同じ品質の製品・サービスを実現するためだ。新中期計画(6年)の第1ステージ(2012~14年度)。国内外最適な生産体制に移行するもので、メキシコ生産子会社立ち上げが目玉。05年4月設立したチェコ(敷地10万㎡)に匹敵する規模で4月テスト開始、10月から量産化の予定。チェコが第2工場稼働で5割超の増強。10~15億円が目安になる。2010年9月末撤退手続きが完了した「米国再上陸」に相当し、北米のほか中南米をこなす新拠点。当初日本から主力アイテム用の生産ラインを送り段階的にフル装備する計画。成功すると大きい。第2ステージ(2015~17年度)に跳ね返り、すべり軸受全分野で世界トップシェア(目標)に貢献する見込み。会社は来年から上昇運。判治会長(71)も翌年上昇運だけに、タイムリーなポジションにつけた。2011,12年3月期を通してリーマンショック、大震災、円高など考えられる悪材料を消化。前期から攻勢に転じた。今期の設備投資も100億円レベル(前期推定94億円)とみられ意欲的。環境問題の高まりから鉛フリー軸受の市場が拡大している。償却負担を吸収する上で生産性向上も見もの。確かに自動車部品、船舶、建機など減収だが、6割を占める自動車エンジン(世界シェア推定3割強)向けが堅調なほか、原発が止まり水、火力発電タービン向け好調。傘下に軸受メーカーを持つトヨタを除き国内外の大手自動車メーカーが拡販の対象。今、来期の仕込みにかかっている。
2013年3月期(連結)は、売上高680億円(3%減)、営業利益69億円(27%減)、経常利益68億円(24%減)、純益39億5000万円(27%減)と昨年11月14日発表通り。配当14円(期末7円)の予定。決算発表(5月15日)が注目される。中国、インドネシア、チェコでも第2工場立ち上げ。海外14ヵ国18拠点。海外生産20%が30%に上がりそうだ。2019年(80周年)にかけて2度目の事業確立期。順調にいくと、予想以上の高収益会社になる。