次世代対応急ピッチ
ショック吸収4期ぶり増益
北川工業(6896・名2)は巻き返し。きっかけ待ちだ。直近2期、リーマンショックを吸収。4期ぶり増益が見込まれるためで、電機・情報・通信中心に自動車・住設・工作機械、さらに環境・エネルギー関連各社の受注増が焦点。外資系ファンド(前期末27.8%)が大株主だけに、GW明けギリシャ信用不安や金融規制を受けて処分売りが出ている模様。転機が迫ってきた。 昨年10月27日、同11月6日、5月7日の修正発表が物語るように減収一巡。一部生産ライン移転、一連の合理化、物流機能集約などコストダウンが急ピッチで進んでいるためだ。昨年8月、14年稼働したインドネシア子会社解散を決意。同12月、中国華南に生産・サービス現地法人(100%出資)2社設立を表明。1月19日には北川清登新社長(51)、北川弘二新会長(いずれも4月1日付)就任声明。2013年(50周年)目前に次の手を打った。主力の電磁波環境部材、工業用精密プラスチック部品ともに次世代対応。先進国と新興国をどうさばくか見ものだ。
前期(連結)は、15%減収、53%営業減益、52%経常減益、46%減益。計画を下回ったことは事実だが、昨年11月の修正から反転のめどがついたようだ。中国、台湾、シンガポール、ドイツなど海外売上高35%。将来、国内と逆転も考えられる。
11年3月期(連結)は、売上高120億円(7%増)、営業利益7億6000万円(23%増)、経常利益10億1000万円(27%増)、純益6億6000万円(33%増)の見通し。配当は17円(中間8.5円)を据え置く予定。設備投資9億円(前期7億円)の計画。米欧に信用不安が定着し、中国も不動産バブルを引き回す局面。国内はデフレ解消に時間がかかる。しかし、2013年まで3年で雌雄が決まるとみられる。ちなみに、新社長はマグマを秘めたロマンチストで大器晩成型。今年から安定し上昇運、3年続くという。面白い巡り合わせだ。前期末、連結自己資本比率90.2%、1株当たり連結純資産2227円。いかにも割安である。