今後の評価実績待ち
社運は今期最高の年回り
TOKAIHD(3167)は新天地。立ち上げを前に3・11震災の洗礼。5月にほぼ復元し四半期過ぎた。1Q発表は7月28日の予定。市場の評価は、4月5日322円を安値に15日443円の高値をつけ、以来400円中心(1株当たり連結純資産210円)のもみ合い。昨年11月18日発表し、発足まで新体制による資本のねじれ解消、事業再編、統合効果など織り込んだだけに実績待ち。10月にTOKAIの情報通信事業がビック東海に移管され二段構え。震災や原発事故、停電や節電対応で出遅れたが、2Q以降逐一取り戻す見込みだ。前期末グループ顧客件数234万件。エネルギー・住生活と情報通信事業の2本柱。07年アクア、11年介護事業に参入し、版図も静岡県を地盤に関東1都6県と福島、長野、岡山県に及ぶ。出色なのは、持ち株会社移行が昨年12月60周年と呼応しタイムリーに決まったこと。前期の連結売上高(TOKAI)、営業利益(同)が最高になったこと。このため、最大の懸案といわれた有利子負債1240億円返済に道筋がついた。事業再編が経営資源の最適配分につながれば、顧客増とともにコスト改善も考えられる。1件当たり売上高を伸ばし、総合力、機動力を高めるのが狙いという。早々記念2円増配を表明。現在、トップページが一変した印象である。
12年3月期(連結)は、売上高1854億円、営業利益84億5000万円、経常利益65億5000万円、純益16億2000万円の見通し。配当は12円(中間7円)の予定。設備投資261億円(償却185億円)の計画。改めて社運を見ると、今期最高の年回り。8月以降努力が実り、来年2~3月形になるという。このチャンス12年に1度。ことさら、通信サービス。自前で敷設した関東一円と東名阪の光ファイバー幹線網、データセンター資産を活用した法人向けクラウドコンピューティングの取り組みが見どころだ。