5年もたないドイツ 日本人にわからない日本の実力 (2011.06.30)
6月末もドレッシング。テクニカルに高い。27、28日連続100ドル幅上げたNYダウが追い風。ケース・シラー住宅価格指数や消費者信頼感指数など受け流して持ち上げたもの。7月8日前後下に振ると述べた。自律反発途上だが、■■■(****)が2000円飛び台で伸び悩み。業績不振(前期連結純損2595億円)にかかわらず、会長の報酬が8億6300万円(6%増)とわかり見切り売りが出た。ウェールズ出身でオックスフォード院卒の文学士。英女王からナイト(士爵)の称号や多くの受賞歴、ベトナム帰還兵の触れ込みもあるが、経歴は報酬の対象にならない。成功体験に埋没して締まりがなくなった。一方、■■■■■(****)が5月2日の高値1万3560円に迫り、抜いても売りとみられるだけに悩ましい、27日に ■■■■■■(****)が一文新値をつけ一服している。連日1兆円の売買代金にとどまり、指数先物の裁定取引で色をつけている地合い。電力と値嵩が戻したところで基調に変化なし。あるとすれば、30日にもつれ込んだギリシャ採決。ECBとIMFの条件は過酷なもので、国民は受け入れ困難とみられるためだ。ジャスミン革命は、ギリシャを口火に欧州でも広がりそうだ。欧州は、信用不安の大手が英国とドイツ。英国は別に述べるとして、ドイツも倒産と隣合せ。それは、昨年5月末わずか7700億円の国債入札が札割れになったことによるもの。10年や30年物でなく5年物の短期債。つまり、市場は5年もたないと判断したわけだ。今年2年目だが来年、再来年もきつい。アイルランドとスペイン向け融資がそれぞれ1000億ユーロ以上とケタ違いに大きいためで、自らも短期債務がGDPの45%、長期債務は95%という危険水域。ギリシャが事実上デフォルトすると長くない。英国もろとも道ずれだ。ドイツだけ健全財政で、ほかの欧州諸国と一線を画しているように見えるが、ギリシャやポルトガルをしのぐアイルランドとスペイン向け焦げつきが致命的。生き残るにはユーロ脱退しかない。このため、7~9月以降欧州没落が次第に早まる見込み。米国もFRBの国債買い取り打ち切りで禁断症状。ともども金融不安による余震がぶり返し、ユーロ・ドルたまらず円高にシフトする見通し。世界支配層は金融取引の監視を強化し、さらに自己資本規制引き上げを狙っているが、自分たちだけ囲い込み延命を図っている。日本は震災と原発事故、使い物にならない指導者のもとでも曲がりなりに回っており、米国債が暴落しても資金繰りに困らない。経済の「覇権」は、このままさらしておくだけで日本に転がり込んでくる。
日経平均は148円高。引けにかけて一段高となり9797円の高値引け。5月11日以来1ヵ月半ぶりの水準に戻した。出来高16億7000万株、売買代金1兆1300億円。■■■■(****)と■■■■(****)が切り返したほか、■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■(****)が堅調。気になる■■■■(****)も179円の引け。目先193円が戻りの目安だ。■■■(****)と■■■■(****)もこの程度でとても収まらない。7月8日前後まで見守るところだ。消去法で日本としばしば述べた。日本人ゆえにわからない日本の実力。3・11をきっかけに4~6月原発事故でたじろいだが、7~9月欧米が信用不安で動揺すると日本の独歩高も考えられる。強気で進むところだ。 (了凡)