センセーションの鮮度 2013年01月30日 (2013.01.30)
立春まで、あと十日もない。睦月が去ろうとしている。
如月は逃げる。私は、この寒さから逃げたい。
春近し退くこともまたよしとせむ 弘子。
あっという間の一月であった。ニュースもあっという間に過ぎていく。
情報の伝達が早くなったおかげで、何やら忘れるのも早くなった。
あれほど騒がれていたギリシャ危機と、欧州経済をめぐる懸念。
一時はユーロ崩壊だと騒がれていたが、最近ではトンと聞かない。
ギリシャの話など、もう、忘れ去られた過去の話である。
こうして人は、嫌なことをすぐに忘れる。
そして、また同じことが繰り返される。
人間は、歴史から何も学ばない。
伝える側とて、商売である。
正力松太郎は「新聞の生命はグロチックとエロテスクとセセーションだ」と嘯いた。
煽って売ってナンボの世界。イエロー・ジャーナリズムという
いまの話題は、安部バブルか。世界中の株が上がり始め、NYダウは史上最高値目前。
そして、週刊誌は神輿を揺らす。今買わずして、何時買うのかと。
そんな相場は、株や商品が上げ賛成機運。
金だけは、どうも取り残されているようだ。
金は、天下騒乱のなか、先行きが判らず、不透明な時代にこそ輝くもの。
危機が去れば売られよう。
1,650㌦を割れば1,600㌦割れか。
1,700㌦を超えてくれば、また新たな危機の種がまかれよう。
それまでダンマリを決め込むのも手の内。
『情に棹差せば流される』という言葉を、独りつぶやいてみる。
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