徐々に好転 名古屋電機 12月11日 (2012.12.10)
上場来安値つけ大底圏
黒字定着すると本格的な反転
名古屋電機工業(6797)は徐々に好転。1、2Q安定してきた。11月2日の修正発表によるもので、上期情報装置の受注55億円。何より採算が改善している。前期末85億円あった受取手形と売掛金がすべて回収され、4月14日部分開通した新東名関連65億円。短期借入金23億円返済し忽ち無借金になった。情報装置は手持ち42億円(前期62億円)でスタート。京葉道路をはじめ工期の長いものやひところの6、7割といわれる単価もあり、固定費中心にコスト管理を強化した。一方、検査装置も前期の売上高8億円(営業損失5億6000万円)を底に回復。上期5億8800万円(同7200万円)で折り返した。通期15億円の計画で黒字転換を目指す。年明け1月16~18日、東京ビッグサイトの第30回エレクトロテストジャパンに出展。新製品のインライン対応3次元X線検査装置と卓上型外観検査装置が目玉という。3、4Q持ち直す見通し。1987年にレーザーを使った世界初のプリント基板用高精度検査装置を振り出しに25年。国内外これからだ。情報装置が1966年遠隔操作による国内初の道路電光情報盤から46年たち収束の域にあるのと対照的。しかし、12月2日山梨県笹子トンネル崩落事故をきっかけに道路、橋、ダムなど耐用年数40年の社会資本更新待ったなし。16日総選挙、来年7月の参院選を通じて新政権の課題になりそうだ。このため、情報装置も息を吹き返す見通し。11月26日上場来安値250円(1株当たり連結純資産1325円)をつけたが大底圏に間違いない。
2013年3月期(連結)は、売上高147億7000万円(2%増)、営業・経常利益1億円、純益1億1000万円に修正なし。配当も期末5円を据え置く予定。例年4Q補正予算により情報装置が燕返し。前期売上高62億円(営業利益5億円)、直前期同69億円(同15億円)だけに似たようなことが起きる。電子百葉箱が名古屋の栄小学校に寄贈され来年全国理科大会にお目見得。中国やインドなど情報装置インフラ整備待ち。北陸の営業強化、神奈川県で受注獲得に向け金沢と川崎に営業拠点を設置するという。来期黒字が定着すると本格的な反転になる。同社の場合、今年と来年天中殺。2014年から長い上昇運。干場社長(64)が今年天中殺明け。来年後半から上昇運。1年後に様子が変わってくる。