フル稼働で折り返し増強
グローバルプレーヤーに脱皮
OSG(6136)は6月27日上方修正。フル稼働の折り返し。今、来期最高益更新、大幅増配も考えられる。中国やアジア中心に主力の切削工具が高い伸び。米欧の引き合いが強いほか、国内も3Q以降自動車の急回復が見込まれるためだ。旺盛なアジアの需要(2Q連結累計40%増収)に対応。韓国の大邸に16億円投入し新工場を立ち上げる計画。現代、サムスンなど自動車・IT向け金型・部品加工の新拠点。世界シェア3割といわれるタップが好調。2Q(3~5月)から弾み。受注に生産が追いつかないという。このため、韓国増強を口火にトータル月産230万本を275万本、2年後330万本に引き上げる計画。設備投資は今、来期70億円レベル(前期連結45億円)にふくらむ見通し。エンドミル、ドリル、転造工具など追随も見どころ。航空機、IT、デジタル家電など次世代につながるもので、グローバルプレーヤーに脱皮。中期計画に盛った連結売上高900億円、営業利益150億円(2013年度)の足がかりをつかんだ。直近2期リーマンショックを吸収。3・11震災をこなし最高益更新が視野に入ったわけで、これまでにないトヨタの巻き返しが伝えられるところから、3Q発表(昨年9月28日)にかけて相当な水準訂正が見込まれる。前回述べたように、08年(70周年)を節目に2度目の事業確立期。18年(80周年)まで続く。昨年上昇運に転じ、今年は動くほどにビジネスチャンス。06年タンガロイと資本・業務提携し、その後解消した決意が今日の流れをつくった。
2Q連結累計は、23%増収、営業利益2.1倍、経常利益同、93%増益。尻上がりだ。海外売上高が195億円(28%増)。50.4%(前年同期47.6%)を占めた。11年11月期(連結)は、売上高795億円(14%増)、営業利益115億円(53%増)、経常利益109億円(63%増)、純益59億円(56%増)の見通し。7月11日に上方修正した。配当は18円(中間6円)の予定。連結配当性向30%が目安になっている。ボーイング787の機体部品増強、12年テスト飛行に入る「MRJ」プロジェクトもターゲット。航空機用工具が回り出すと面白い。アイフォーン、アイパッド向け拡大も支援材料。加工が難しいだけに採算もいいためだ。現在売り込み中。これまでの努力が実り始めた。