飛躍のステップ アイカ 12月3日 (2012.12.03)
新体制3期目も好調
ダイネア買収5、6年で回収
アイカ工業(4206)は1、2Q見事。2ケタ増益の折り返し。計画を上回った。増販益、稼働率アップ、コストダウンなど新体制3期目も好調。11月15日の同社説明会。定員の5割増になったという。10月12日、1年がかりフィンランドの接着剤メーカー、ダイネアのアジア太平洋部門買収発表が拍車をかけた。泣きどころの海外売上比率が前期連結6.5%から24%、同生産拠点も9から28に増加。来期から売上高249億円、税引前利益22億円(ダイネアの2012年12月期予想)が寄与する見込み。同社にとって鋳型、断熱材、繊維板など補完できる化成品が大半で、国内と日系顧客のほかタイ、マレーシア、オーストラリア、ニュージーランドなどダイネアの顧客を引き継ぐ。買収額1億5000万円ユーロ(時価160億円)が現預金331億円(2Q連結累計)の約半分。大口の買い物で英断に違いないが、同地域の需要予測平均7%で計算すると、5、6年あれば回収できる。2016年(80周年)にも目鼻がつきそうだ。全製品の90%以上が環境対応型で徹底しているのも強み。2Q連結累計を見ると、化成品の営業利益率6.3%。以下、建装材17.9%、住器建材16.5%、12%減収の電子でさえ10.2%と高い。住宅着工が7~9月落ち込んだものの、工場や店舗、医療・教育・福祉など公共施設の採用が目立ち、前回紹介した「フレアテクト」がヒット。当サイトでも3ヵ月連続アクセストップになった。今期は海外85億円(計画100億円)、新分野55億円(60億円)に下方修正したが、例年3、4Q強いだけに捨てたものでない。原料ナフサがキロリットル5万9000円から1割前後下がっている。社運は来年後半再び上昇。2014、15年当面のピーク。一方、小野社長(56)が人に頼らない努力家で上昇運途上。2015~18年まで好調と出ている。
2013年3月期(連結)は、売上高1000億円(5%増)、営業利益118億円(11%増)、経常利益120億円(同)、純益70億円(16%増)に見直した。配当34円(期末17円)を据え置く予定。設備投資40億円(前期20億円)の計画だが、ダイネア関係分を追加すると200億円レベル。首尾よくいけば、ご時世に拘らず今、来期飛躍のステップを踏みそうだ。3日1420円で引けたが、リンナイかホシザキ型の展開が予想される。