一進一退の踊り場 大宝運輸 11月28日 (2012.11.27)
年末・年始見どころに
支店レベルの現場処理が課題
大宝運輸(9040)は一進一退。2Q累計減益で折り返した。最大限仕事を確保する一方、一段と採算が落ち込んでいるせいだ。支店(11)レベルの問題解決が課題という。現在、1/3が赤字の模様。荷主の台所事情を織り込むもので、解散・総選挙をきっかけに円安株高に振れた直近、迫ってきた年末・年始が見どころ。例年3Qが書き入れ時で4Q伸び悩むためだ。№532を数える社内報(月刊)で「上半期支店で変化したこと」が新たな手掛かり。これから「支店の時代」と認識し、支店レベルで現場処理できる人材を育ててきた。30有余年一途な教育立社、門戸開放、自力実行によるもの。自費参加の泡影塾や和合塾のほか、講習会、物流フェスティバル、運動会、文化祭など年中行事。よくこなしている。点数やタイムを含め当事者能力、感動の有無が評価の対象。あらゆる現場情報が本社より支店に集まるためだ。小笠原社長(44)と宮下取締役(54)がバッテリーを組んで3期目。会社は2010年から上昇運で踊り場にさしかかり今、来期足場を固めるところにきた。黒字の支店を増やすのが先決。現場の問題解決に力を注いでいる。事故4件(前期6件)。500kwで太陽光による売電を始める三好支店が目玉。輸入自転車は季節変動を輸入雑貨でバランスを取る。地場スーパー一括支援続行。今期の中途入社44人に対し退社27人。切り盛りが大変。2020年(創業100年)を目安に各支店が「独立」すると面白くなる。
2013年3月期(非連結)は、売上高93億円(1%増)、営業利益2億6000万円(21%減)、経常利益2億8000万円(18%減)、純益1億4000万円(7%減)に見直した。10月29日の修正発表によるもので、配当10円(中間5円)を据え置く予定。同業のトランコム(9058)が平均37歳で年収415万円、同様に名鉄運輸(9077)42歳439万円に対し、同社は44歳456万円と高い印象。一概に比較できないが恵まれている。他社にない幹部候補や中間層が厚いだけに、支店レベルのスキル向上が望まれる。市場でも一転上向きなら倍、3倍の水準訂正。今、来期にかかっている。