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企業レポート

いいポジション     サンゲツ     11月14日 (2012.11.13)

計画を上回る折り返し

上場以来最大の見どころに

 

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サンゲツ(8130)は強含み。計画を上回る折り返し。反転の足場を固めた。断続的な住宅着工回復、同リフォーム、復興需要、さらに2014、15年消費税二段階引き上げなど手掛かり。その後反動が予想されるものの、逐一織り込んで動いているのも事実。3、4Q堅調、連結最高純益(2011年3月期42億円)更新の見通し。9月29日、オーナーで五代目の前会長(享年84)逝去。同10日、臨時取締役会で専務から昇格した日比祐市社長(81)が連日奮闘しているだけに、上場(1980年11月)以来最大の見どころ。来年が設立60年(創業162年)に相当し、総会後従来の流れが変わる公算もある。インテリア(前期連結87%)中心にエクステリア(10%)、照明(3%)+αが課題。10月12日アイカ工業(4206)が営々蓄積した約300億円の半分海外資産取得に踏み切ったように、同社も約500億円の手元流動性が筆頭株主関心の的。海外に野心なく、国内のインテリア関連市場がターゲット。動く時がやってくる。嘉永4年(1851年)初代表具師をルーツに開国並みの過渡期とみれば、やがて維新(1867年)につながる。2Q連結累計は、7.5%増収、3%営業増益、8%経常増益、18%増益。原価高を吸収し締まった。震災に伴う落ち込みの反動とみられ、住宅着工が2月から5月まで4ヵ月連続増加したのが支援材料。その後6~8月前年割れだが9月15%増と回復。原油高が鳴りを潜め採算が改善している。インテリア(5%営業増益)、エクステリア(2.1倍)にひきかえ、照明(損失200万円)が一服。前期節電対策でLEDが急伸し普及一巡。下期巻き返す見込み。東京ステーションホテルに採用された客室ほか多くの照明器具が新たな手掛かり。前期黒字転換(営業利益1億7200万円)したばかり。来年後半から上昇運。もう一皮むけるはずだ。

2013年3月期(連結)は、売上高1225億円(3%増)、営業利益75億円(6%増)、経常利益78億円(9%増)、純益45億円(8%増)と計画通り。配当75円(中間37.5円)を据え置く予定。例年3、4Q需要期。次期駆け込み需要が見込まれ、いいポジションにつけている。新築が96年の163万戸をピークに2011年83万戸。20年以降80万戸割れといわれる一方、リフォームは現在6兆円が2020年12兆円市場との試算もあり、2014、15年の消費税引き上げがターニングポイント。大手の寡占が一段と進みそうだ。同社は壁紙50%、床材10%、カーテン7%(推定)のシェア。これから3年面白い。11月14~16日ジャパンテックス(10~17時)に出展するほか、3月ジャパンショップ、1月のメゾン・エ・オブジェ(パリ)が例年参加する見本市。会長を偲びお別れの会を12月11日に開く。日本のインテリアを欧米に近づけたいのが故人の夢だった。09年春に旭日小綬章を受章。今年6月本社モデルルームをリニューアルしたが、同社の現状をつぶさに物語っている。

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