今は昔 BIS規制 紫玉庵 11月09日 (2012.11.08)
青天井の資金供給
流れが起きない金融緩和
黒字予定だった日本の家電産業の代表企業パナソニックが
7800億円の大赤字。
工業化社会が終焉した日に合わせたのか、
日銀は、とんでもない発表をした。
デフレ脱却を名目に、日本国内の金融機関が、
自分自身がどれほどの預金量をもっているかに関わらず、
無制限に貸し出してもいい体制をつくりだした。
おいおい、昭和天皇崩御の年、
1989年年末を頂点にした日本のバブルを終了させた、
あのBIS規制は、一体どうなってしまったのか。
それよりも、この資金はどこに流れるのか。
日銀は10月30日、
日本の金融機関からの貸し出しが進まない状況に、
今後4年間、どれだけ貸し出しても、
その貸し出し相等の資金を日銀から供給するといいだした。
これは、実質的に、中央銀行である日銀が
直接、マネーを貸す体制だ。
4年間、10兆円の枠。
金利は、0.1%。
ノンバンクへの貸し出しでもかまわないという。
この資金は、果たして、日本国内を活性化するのか。
今まででも、日本企業は
新規の事業投資に借りるところが極めて少なかった。
例外となったのは、ソフトバンクが
海外企業を買収するのに200億ドルを借り入れたように、
海外進出、外国企業のM&A、海外事業の投融資だった。
この資金を得た、「黒い眼の外人」が
株式市場に資金を入れることはあるだろう。
一番肝心なのは、このやり方で、
日本国内の経済が活性化するのか。
具体的に言えば、雇用が増えるのか。
ということ。
原発マフィアと一緒になって、
放射能被害をごまかしたままでは、
どんなに金融を緩めても、
日本国内には、新たな資金の流れは起きない。
今、原発被害の実情を隠していることは、
究極のPKO(プライス・キーピング・オペレーション)
にあたる。
あの1992年のバブル崩壊のあと、
無理して、株価と土地価格を維持したやり方だ。
今があの時と違うのは、
日本国民の生命そのものまで人質にしていることだ。
この間、どんなに日銀を緩めても、
このマネーは、海外に流れるばかりになる。
しかも、日本人を、遺伝子レベルで、
静かに殺し続けているのだ。
しかしながら、この金融緩和措置が、
日本企業の経営方式と技術力を、
海外に広める作用があるのは確かで、
これは人類全体でみれば、大きな貢献といえる。
日本人のこれまでのモノつくりの姿勢や、
企業活動に没頭する精神性が、
世界中で見直されるすばらしい機会にはなる。
これは、日本にとって、名誉にもなるだろう。