戻りを試す 中部鋼鈑 11月26日 (2010.11.26)
社長が来年上昇気流
2Qから持ち直し計画線上
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中部鋼鈑(5461)は反転。2Qから持ち直した、在庫調整一巡、価格改定、数量増等によるもので、8月以降比較的底堅い鉄スクラップが気がかり。円高は一服したが、内外需とも緩慢な回復にとどまり、7月28日初めて今期見直しを発表し計画線上。3、4Qとも数量把握が困難という。しかし、「公表した以上通期でも計画を実現したい。」(太田社長)と意欲を見せた。事実、電炉トップ東京製鉄の修正予想も混乱したまま。2Q累計営業損失15億円の折り返し。リーマンショックにかかわらず、09年3月期まで続いた市況高騰の反動を読み切れない。1620億円注ぎ込んだといわれる田原工場を立ち上げたが、中部鋼鈑の影響はさほどでもなく、電炉でも高炉並みといわれる厚板の品質と価格競争力をアピール。東鉄の進出を歓迎しているフシもある。ちなみに、上期の国内粗鋼生産量5542万トン(28%増)、前期9645万トン(9%減)の57%に相当し、10年ぶり1億トン割れのリバウンドにしては小さい。原料高に対し製品安の構図。円高のブレーキも尾を引いており、同社の東南アジア輸出は上期1%にとどまった。
2Q連結累計は、87%増収、3%営業増益、9%経常増益、純益3・2倍の折り返し。前期リーマンショックを受けて実需が大幅に落ち込み。単価安21%に対し数量2・5倍に回復。下期は上期のレベルをキープしたいという。2月に60周年を迎え、一皮むけるところだ。11年3月期(連結)は、売上高464億円(倍増)、営業利益17億円(8・5倍)、経常利益同(4・8倍)、純益11億円と修正なし。4円減配し12円配当(中間7円)の予定。来年は前半上昇運。後半注意という。圧延基盤整備が一巡し、鉄のリサイクルを通じて環境対応に踏み込んだ。規模こそ東鉄の4分の1だが、体質は互角以上とみられ、社長が来年上昇気流と出ているだけに強気。市場も戻りを試すとみられる。