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企業レポート

慎重な見通し 太陽化学   7月1日 (2011.07.01)

今期も3、4Q焦点

新工場稼働し次のステップ

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太陽化学(2902)はリバウンド一巡。踊り場に入った。3・11の震災によるもので、復興に伴い国内の市場環境が一変。今、来期次のステップに進むとみられるためだ。ことに、インターフェイスソリューション事業。前期連結売上高の36%(営業利益83%)を占め、今年9月塩浜工場内に乳化剤新工場(23億円)竣工。3Q以降本格稼働につながると60年ぶりの脱皮。1952年国内で最初の食品用乳化剤を開発・販売して以来のこと。これまで高い安全性や機能が評価され、化粧品、トイレタリー、樹脂改質剤など応用分野も拡大している。生産能力年1700トン。次世代のバロメーターになりそうだ。同社の場合、「サンファイバー」(水溶性食物繊維)、「サンテアニン」(機能性アミノ酸)が09~10年にかけて市場でも評価されたが、サプリメントは本場の米国で一服。日本でも足踏み状態。しかし、1910年ビタミンが発見され、その後サプリメントとして普及しトータル100年の歴史がある。同社は緑茶成分カテキン、同テアニンでも踏み込んだ実績。この分野、16年(創業70年)にかけて次の幕が上がるとみられる。

11年3月期(連結)は、1%減収、16%営業増益、5%経常増益、3%増益。営業利益が予想を上回った。サプリメントの伸び悩みでニュートリション事業が10%減収になったものの、原価改善(0.98%)で引き締まった。12年3月期(連結)は、売上高330億円(2%減)、営業利益18億円(13%減)、経常利益19億円(4%減)、純益10億5000万円(6%増)と慎重な見通し。配当は記念4円を落とし、16円(中間8円)に戻す予定。今期も3、4Qが焦点。乳化剤新工場稼働と復興につながる公共投資25兆円が手がかりだ。社運を調べると、今年後半調整運。慎重だけに乗り越えられる。2月高値(750円)を抜く日が楽しみだ。

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