証券ビュー

企業レポート

踊り場 トランスシティ   5月30日 (2011.05.30)

業界4位から脱皮の時

新風吹き込み震災こなす

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 日本トランスシティ(9310)は踊り場。東北大震災をこなし一皮むけるところ。小川新社長(62)を内定し新風を吹き込んだ。直近2期復調。4月28日の上方修正が物語るもので、前期3、4Q予想以上。大口顧客の自動車、石油化学、日用品など震災の影響が気になるところ。当面確かに厳しいが、復旧、復興が時間の問題だけに、世間の行き過ぎた不安に対し意外と堅い面持ち。新社長は「重責を担い経営方針に従って地域社会の発展を目指す」と引き締めた。財閥系3社はそろって堅調な予想を出しており、1Q発表(昨年8月6日)をめどに2Q累計、通期予想も明らかになる見込み。小林社長が会長に昇格するのをはじめ、6月29日付役員・幹部人事発令がタイムリー。前期未達の中期計画(連結売上高81%、同経常利益86%)に鑑み、新中期計画も連結売上高1000億円、同経常50億円(14年3月期)に再挑戦。実績次第で業界4位から脱皮の時を迎えた。主力の倉庫にヘルスケア(昨年10月)、生鮮食品類(1月)が加わり、陸上運送のバルクコンテナ(粒状貨物専用)拡大。昨年1月ベトナム現法設立、3月プノンペン駐在事務所開設も印象的。荷物取扱をどうふやすか。最も安全に安く運ぶにはどうすればいいか。四日市は名古屋と並び全国に23ある特定重要港湾であり、神戸が震災後復興しても頭打ちだけに、これから3年踊り場の対応が見ものだ。

11年3月期(連結)は、6%増収、14%営業増益、20%経常増益、17%増益。中間、期末ともに計画を上回った。見込みほど落ち込まず、国際複合輸送(21%増収)がダークホースになっている。震災により鹿島の一部拠点を損傷したが、災害特損1800万円計上。急ピッチで復旧した。12年3月期(連結)は未定だが、今期落ち込んでも来期取り戻すとみられ、売上高で四半期200億円がいつ250億円ペースに上がるか楽しみ。15年(創業120年)にかけて仕込みが続く。社運を調べると、今年は動きの中に運があるという。遅咲きだけに3年がかり。市場では、震災直前の水準(295円)回復が反転の目安。持分法収益も改善しており、2Qから注目される。

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