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企業レポート

もうひと山 マキタ   5月10日 (2011.05.10)

日本復活の一翼担う

タイ着工、復興需要も本格化

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マキタ(6586)は復調。調整運の10、11年健闘。続伸の見通し。直近3期リーマンショックを吸収し、東北大震災の影響軽微。前期3度上方修正し、ライバルだった日立工機と明暗。来月タイにグループ10番目の生産拠点(月産5万台)を着工するほか、来年から本格的な震災の復興需要も見込まれ、4月1日の戻り高値(3930円)更新目前になった。業績の回復が最大の手がかり。国内、欧州、北米が反転し、アジア(前期連結25%増収)や中南米(同33%増収)など新興国の高い伸びが支援材料。増産により原価・販管費の改善が顕著になっている。単体唯一の国内生産拠点岡崎工場もフル操業。部品が必要なら海外で調達できるという。85年米国を振り出しに海外生産25年余。15年(創業100年)にかけて収束期。もうひと山ありそうだ。事実、今期の設備投資は連結170億円(前期97億円)の計画。償却の倍に相当し、研究開発費も82億円(同72億円)に引き上げる。プロ用電動工具はもちろん、エア工具や園芸機器など国内外トップシェアの維持・獲得が目標。今回の震災を通じて日本復活の一翼を担っている。今期は円ドル83円(前期85.73円)、円ユーロ118円(同113.12円)が基準レート。海外生産比率90%(同85.5%)に迫る見込み。タイは中国につぐ生産拠点でアジアの需要増にこたえるもの。来年7月稼働の予定。このほか、4月4日に前田金属(5967)と資本・業務提携を発表。出資比率を3.42%から6.83%(筆頭株主)に引き上げ、シャーレンチを通じて電動工具の品揃えを増やす。成功すると、小回りがきいて面白い。

11年3月期(連結)は、11%増収、38%営業増益、27%経常増益、34%増益。計画を大幅に上回った。直前期の落ち込みを埋めるもので、今、来期リバウンドがポイント。慎重に構えている。12年3月期(連結)は、売上2850億円(4%増)、営業利益450億円(7%増)、経常利益458億円(同)、純益319億円(6%増)の見通し。配当は中間15円を据え置き、連結配当性向30%を目安に期末(前期51円)定める。15年が最大の節目。次の100年は電動工具より市場が大きい園芸機器の台頭が予想され、11年からカウントダウン。社運を調べると、秋以降乱気流が少し収まり、来年後半ラッキーなことが起きるという。

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