目から鱗の開発力 中央紙器 8月30日 (2012.08.29)
次のステップに備える
連結営業利益率レンゴーの倍
中央紙器工業(3952)は高水準。次のステップに備える場面。踊り場が続きそうだ。1Q連結わずかに計画を下回った前期の延長上。5%増収、8%営業減益の足取り。復興需要が主因で増収になったが、原紙高を半分吸収した程度。国内、海外ともに減益。それでも営業利益率10.2%。内製化率が高いためで、レンゴー(5.7%)の倍に相当し、ピークの11年3月期(11.6%)から若干後退したレベル。せっかく重量や時間、コストなど目から鱗の開発力も取引先の海外生産移管が泣きどころ。電機関連が痛いという。
2Qも好転に程遠く改善の積み重ね。9,10月稼働予定の中国新工場が新たな手掛かりになりそうだ。広東省の政策転換によるもので、深圳の来料加工を東莞の独資工場に一本化。長期的な経営基盤の安定を図るためという。香港の持分法適用関連会社(26.4%出資)が現地資本と合弁で設立。着実に進んでいる。しかし、従来の実績を確保し今後に備えるもので格別材料にならないという。トヨタ(筆頭株主)はじめ自動車関連が6割を占め、エコカー減税一巡、消費税引き上げ、自動車取得・重量税廃止が伝えられるなど軸足定まらず。電機、食品も反転のきっかけがほしいところ。その点、ヤマハ発動機向け「アクティブ車椅子」の梱包改善が話題。従来外箱を倒し、傷防止シートに変動車椅子を押し込み、箱を元に戻し梱包していたが、同社の改善仕様によると、電動車椅子をセットしたトレイに転がし入れるだけ。誰でも負荷なく安全に梱包、開梱作業できるようにした。運賃、重量、作業時間などトータルコスト2割改善。前年まで9年連続入賞のワールドスター賞に向け国内エントリーに臨む。
2013年3月期(連結)は、売上高130億円(1%増)、営業利益12億5000万円(12%減)、経常利益12億8000万円(13%減)、純益7億6000万円(8%減)の見通し。配当36円(中間18円)を据え置く予定。2Qそこそこで3Q需要期だけに盛り返す見込み。同社は今年、来年調整運だが、トヨタが安定運で踏ん張りどころ。2017年(60周年)にかけて動乱が続く。作業性やスペース、包装材の共通化など5つの梱包プロセス改善を打ち出し徹底して取り組む構え。29日990円の気配で引けたが、リーマン前後からダイナミックなトレンドに変わってきた。