震災契機に一服 CKD 5月31日 (2011.05.31)
計画上回り時間調整
海外と成長市場に動き活発
CKD(6407)は一服。震災を契機に踊り場とみられる。前期の急回復を受けたもので、計画を上回っただけに時間調整。4期ぶりバランスを取り戻した。10年3月期、連結売上高がピークから3年で半分以下に落ち込んだが、営業利益3億3300万円確保。これが大きい。ITバブル崩壊、リーマンショックを通じて10年来徹底的な体質改善によるもの。現在の中心値720円で計算すると、時価ベースの自己資本比率が理論値(712円)を上回っている。震災の影響軽微。被災地の仙台、山形など約2週間で営業を再開し、義援金や支援物資を送る一方、部材調達に奔走。事なきを得ている。業績が堅調なのは、中期計画で海外と成長市場をターゲットにしぼったため。流体制御と自動化を基盤にグローバル企業に脱皮。同計画で連結売上高850億円、営業利益90億円(13年3月期)を打ち出した。前期上方修正もあって各85%、80%の進捗率。今期足踏みの模様だが、1Q発表(昨年7月30日)が新たな手がかり。半導体関連が比較的堅調で、二次電池・太陽電池・LED関連など成長市場、中国・韓国・台湾などアジア中心に海外市場も拡大。事実上、国内の落ち込みを海外の伸びでカバーできる見込み。半年前述べたように、海外売上高26%(前期20%)、同生産20%(同5%)が同計画の目標。13年が70周年にあたり、これから3年が次の10年を左右する。社運を調べると、今年は12年に1度ピークを形成。夏場がポイントという。
11年3月期(連結)は、44%増収、営業利益75億200万円、経常利益10倍、純益3倍。予想を大幅に上回った。営業利益率10.4%。ピーク(07年3月期)の85%まで戻している。12年3月期(連結)は、売上高720億円(横ばい)、営業利益60億円(20%減)、経常利益59億円(21%減)、純益34億円(25%減)の見通し。配当は前期14円(8円復元)に対し12円(中間6円)の予定。設備投資35億円(前期22億円)、償却30億円(同26億円)の予定。成長市場に対し単品包装機、はんだ印刷検査機、リチウムイオン電池製造装置など提案活発。どう考えても、70周年が転機になりそうだ。