反転し踊り場 日東工業 6月23日 (2011.06.23)
10年スパンの助走段階
注目される震災と次世代対応
日東工業(6651)は一服。前期反転し踊り場入り。次の足場を固めるところだ。震災、次世代対応、コスト構造改革など懸案をこなす場面。今期減益予想にしても、10年スパンの助走段階。リーマンショックと震災を通じて一皮二皮むけそうだ。震災については岩手県花巻市の連結子会社、仙台・郡山・つくば営業所が被災したものの、4月から生産・営業活動を再開。電機と情報インフラのプロだけに、復興に際して製品の安定供給が見込まれる。次世代対応は新規事業と海外展開。前者が太陽光発電関連製品とEV普及に不可欠な充電スタンド、データセンター向け省エネサポート製品。ともに実用化を迎えた。後者は中国河南省に新工場を立ち上げ、キャビネット、システムラックを生産販売する計画。4月28日2期工事の竣工式を行ったタイのエレット(連結子会社)はブレーカ組み立て能力を3倍に増強した。ベトナムに新幹線が走るころ、アジアに投資ブームがやってくる。これまで慎重だったが吹っ切れた。さらに、コスト構造改革は原価、販管費改善の積み上げ。直前期営業赤字を計上し、損益分岐点引き下げに余念がない。08年(60周年)を節目に陰から陽の10年。社運は今年も調整だが、来年後半上昇運。踊り場をモノにするところだ。
11年3月期(連結)は、24%増収、営業利益32億1600万円、経常利益34億600万円、純益19億円と予想以上。キャビネットの大口案件もあり、昨年10月29日に1月28日、5月13日にも上方修正している。12年3月期(連結)は、売上高555億円(3%減)、営業利益30億円(6%減)、経常利益同(11%減)、純益6億5000万円(13%減)の見通し。配当は13円(中間6円)の予定。連結配当性向30%が目安になっている。設備投資17億5000万円(前期16億8700万円)の計画。財務は健全で問題なく懸案をこなし始めた。1Q(昨年7月30日)、2Q発表(同10月29日)が注目される。3月15日637円を安値に850円(1株当たり連結純資産1429円)中心のもみ合い。今年は逆張りとみられる。