悲観するに及ばない 現体制は半年か1年のもの (2012.07.24)
週明け水浸し。軒並み安い。海外株安と円高に見舞われワンツーパンチ。逆回転が続いている。新たにバレンシア、カタルーニャ州もスペイン政府に金融支援を要請。同国10年債利回りが7.3%に高騰する一方、ECBがギリシャ国債を担保から外す旨も伝えられユーロ売りに拍車。円ドル78円台前半、円ユーロ94円台後半。対ユーロでは11年8ヵ月ぶり高値といわれ、シカゴのユーロ先物売りと買い戻しに翻弄された。23日、日経平均の日足が一目均衡表「雲」の下限(8565円)を割り込み悩ましいという。しかし、リスクヘッジの持ち高調整。売りも買いも外資が大半で国内勢見送り。消耗戦に変わりない。新刊「さっさと不況を終わらせろ」(ポール・クルーグマン=59)の啖呵が愚痴に響く。増税も財政緊縮も愚策。目下の不況は、失策を認めたくない連中が解決困難な問題に見せかけているだけ。景気回復は簡単という趣旨。08年ノーベル経済学賞を受賞し、翌年4月の会見で述べ20年デフレ不況に陥った日本に対し、政府や日銀批判したことを詫びた。リーマンショックック後「私たちも同じ政策をとっている」。「上昇する失業率を見ると日本より悪化している」といくらかマシになった。それより、日経23日付1面トップ。市場に育つ成長の芽。日本には創業200年以上の企業が3900社余りある旨10段抜きの記事。17日から紹介している100年企業と似たり寄ったりの趣向。悲観一色どころか勝ち残りでさえある。ちなみに、世界最古のゼネコンが日本の金剛組。各紙が06年8月11日破産申請を伝えたものの、倒産したのは旧金剛組で現在の金剛組(資本金3億円)にあらず。飛鳥時代から続く金剛組は健在で傘下にある宮大工の数も変わらず、推定売上高60億円前後と見られる。廃業の危機が何度もあり、最大のものが維新・廃仏毀釈に伴う扶持米召し上げ。昭和恐慌では、37代目が事業低迷を元祖に詫び割腹自殺。発奮した妻が38代目を継ぎ、昭和9年室戸台風で倒壊した四天王寺・五重塔を復元し「なにわの女棟梁」といわれた。初代が聖徳太子に招かれ、百済からやってきた3人の工匠のうち1人。日本書紀に造寺工(てらつくりのたくみ)とある。破産申請当時「金剛組を潰したら大阪の恥」と思い立った■■■■(****)が営業権と宮大工一切引き取り。新金剛組の相談役に39代目を迎え1400年以上の歴史に一役買った。旧金剛組はケージー建設(清算会社)になり、40億円の負債を抱え大阪地裁に破産申請し、06年7月手続き開始の決定を受けた。
日経平均は161円安。8508の円引け。1ヵ月半ぶり安値になった。出来高14億株、売買代金8100億円と極端な薄商い。東証1部の新安値が195にのぼりボトム圏。悲観するに及ばない。外資のリスクヘッジ、ポジション調整が主因とみられる。五輪、米大統領選、フォトンベルトで1、2、3の相場。明けて来年、「住専」グローバル版に立ち会えば反転。欧米や中国がデフレ、日本は再び円安で先進国唯一インフレのトレンドが見込まれる。23日値を保ったのが■■■■(****)のみ。そちこち将棋倒しになった。後場釣瓶落としになった■■■■(****)買い下がり。■■■■(****)は780円を目安に打診買い。■■■■■■(****)も同感覚。■■■■(****)は185円がボトムライン。再びチャンスがやってくる。現体制は彼我ともに半年か1年のものだ。(了凡)