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企業レポート

前半飛ばす 日東工業 6月27日 (2012.06.26)

相場が次の扉を開いた
リーマン前とらえピーク視野も

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日東工業(6651)は好調。足もと急伸した前期4Qの延長上。前半飛ばしている。主力の配電盤が堅調なほか、携帯基地局キャビネット、データセンター向けラックなどまとまった受注によるもの。6月20日1288円をつけ、08年リーマンショック前の高値(1277円)を抜いた。3月15日100万株消却(2.3%)が伏線になった。反転の初動とみられ、新年度の設備投資連結40億円(前期20億円)も手掛かり。中国河南省新工場(7月竣工予定)と菊川工場増築・太陽光発電事業が目玉でともに15億円規模。双方期中稼働を見込み、5月に正常化したタイ工場と合わせ新たな展開が予想される。リーマン後、大震災、超円高、タイ洪水など悉く跳ね返し、復興、円高修正に持ち込んだところ。2012、13年欧米債務危機に折り合いがつけば第2幕。おのずとピーク更新が視野に入る。今、来期2014年(創業70年)の布石。何が起きようと決めたことを実現する構え。ターゲットを明らかにしている。コスト構造改革に伴う配電盤事業の競争力強化、成長分野、海外の取り組みに尽きる内容。環境配慮型に傾注し、太陽光発電システム、充電スタンド、データセンター向け省エネ製品など成長分野に目星。河南省新工場とタイ操業再開に伴う中国、アセアン市場が海外のフロンティア。紆余曲折こそあれ、今年から5年上昇運だけにビジネスチャンス。6月20日、いち早く相場が次の扉を開いた。
2013年3月期(連結)は、売上高637億円(7%増)、営業利益51億円(17%増)、経常利益52億円(16%増)、純益31億円(37%増)の見通し。配当性向30%を目安に24円配当(期末12円)の予定。前期1Q(発表7月29日)早々上方修正し今期も楽しみだ。復興特需で遮断・開閉器、パーツその他がフル稼働。1Qから流れが好転している。1974年新設した菊川工場の増築が印象的。中部圏の配電盤事業集約、キャビネット2次加工、大型案件などに備えるもので合理的。太陽光発電は増築部分(9100m²)の屋根に約500kwのパネルを敷き売電する計画。近隣の掛川工場(08年新設)が100kwで先行している。既存拠点の適応ぶりを物語るものだ。中国の事業は2004年に現法を設立し、09年北京事務所開設を踏まえ、10年目が創業70年だけに興味深い。国内と勝手が違うものの避けて通れないステップ。中国は10月から指導者が変わるだけに今、来期免疫をつけると面白い。26日1255円(1株当たり連結純資産1485円)で引けたが、後半慎重で期待をもてる。

 

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