トップスリー交代 名工建設 6月25日 (2012.06.22)
リニア開通見越し新体制
郵政ビル口火に建設ラッシュ
名工建設(1869)はトップスリー交代。気合が入っている。28日から野田社長(63)はじめ新体制スタート。15年後リニア開通を目玉に名古屋駅前超高層・複合ビル建設、地下街拡張待ったなし。旧本社ビル再開発も3月26日に郵政、郵便局と新ビル概要を発表している。10月解体工事に入り来夏着工。2015年秋完成の予定。今秋「大名古屋ビルヂング」解体も始まり15年から17年にかけて建設・開業ラッシュ。太いものだけで6本ある。日本郵政グループ(15年秋)、JR東海(16年度)、三菱地所(15年秋)、東和不動産(17年度)、豊通(未定)、それに愛大(12年春)。99年開業した「JRセントラルタワーズ」がホップ。07年「ミッドランドスクエア」はステップ。後にも先にも今回ジャンプに相当する。JR東海に刺激され、名鉄も3月名古屋駅と周辺自社ビル再開発ビジョン(10年後)を明らかにした。リニアをはじめ東海道新幹線、JR在来線、名鉄、近鉄、地下鉄が乗り入れ、中部空港まで30分弱のアクセス。見方にもよるが、全国はおろか世界でも稀なプロジェクト。一連のハードにソフトも盛り込まれ「スーパーターミナル」、「尾張名古屋共和国」構想も取り込んだ。じっとしていられない。同社の場合、当初2012年完成予定の名駅郵政ビルで先行。郵政民営化見直し、一体開発に伴うJR東海の新ビルと調整遅れ、環境影響評価など大名古屋ビルに先を越され切り返す印象。旧本社ビル再開発に限れば600億円の事業規模といわれ、高層40階・低層11階の構成から小さくも大きくも見える。東日本大震災の煽りで資材と工賃高騰が泣きどころ。しかし、リニア開業まで15年地元プロジェクトが続くだけに記録的なビジネスチャンス。今年、来年端境期に相当し、収益寄与は3、4年先とみられるが、新体制がこれまで70年の実績を更新するのは間違いない。社運を見ると、2021年(80周年)にかけて黄金の10年。その後10年収穫期。今年後半から上昇運で来年一服し5年続く。社長は今年安定運だがジャンプ前の姿。前期受注が8.7%落ち込んだだけに、今期巻き返しが見込まれる。
2013年3月期(連結)は、売上高750億円(1%減)、営業利益16億円(19%減)、経常利益17億円(同)、純益9億500万円(25%減)の見通し。配当10円(期末5円)を据え置く予定。繰越工事が前期を47億円下回り、いち早く例年並みの受注(760億円)を目指す。第15次中期計画スタート。2015年3月期を目安に受注競争力、収益力、信頼性の向上に傾注。並み外れたプロジェクトをこなし体質が一変しそうだ。首尾よくいけば、黄金の10年と収穫の10年をモノにできる。22日425円(1株当たり連結純資産871円)で引けたが、リニア開通を見越し急騰する時がやってくる。