前途左右する6月 シカゴのユーロ先物買い戻し (2012.05.29)
依然、円高が重し。ユーロ安に引っ張られ小幅往来。時間を買う相場になっている。日経平均は10週連続陽線のあと、前週まで8週連続安。シカゴの通貨先物がユーロ売りで溢れ返り過去最高という。さらに売られるとして買い戻しが焦点。1日に米雇用統計発表(5月)で始まる6月が前途を左右しそうだ。国内で同日1〜3月期法人企業統計、8日同GDP2次速報発表、14〜15日に日銀政策決定会合。海外でも19〜20日FOMC、21日ECB理事会、28日EU首脳会議。「何も決まらない」通常国会が閉幕し、FRBのツイスト・オペも月内期限切れを迎えるだけに、膠着状態で収まりそうもない。結論からいえば、欧米挙げて最後のバブル。オランド仏大統領が持ち掛けた特攻作戦。雇用促進には財政出動が不可欠というもの。メルケル独首相の緊縮政策では高失業とマイナス成長に喘ぐ南欧が疲弊し、欧州全域に影響するためだ。要するに、日本が90年代やり過ぎて批判を浴びた公共投資。ゼロ金利と並び繰り上げ発注。24日述べたように、一か八か特攻作戦に踏み切る模様だ。特融状態のECB、IMFがギリシャ支援の限界をさらし、ギリシャもユーロ脱退とドラクマ復帰に備えた。6月17日の再選挙以降、来年にかけて「住専」グローバル版。欧州はギリシャがユーロから抜けても日本モデルの公共投資を踏襲。危機を先送りする見込みだ。米国も大同小異。ファニー、フレディの巨大「住専」処理を棚上げ。ツイスト・オペにつぐ第3次金融緩和が既定路線。さらに先送りと伝えられる、日本の公共投資がハコモノ行政といわれ、欧米も当時無駄な財政支出と嘲笑したが、今では日本通の仏大統領が認める唯一のモデル。3年後好転すればいいが、悪化すると欧米でも旧山一や長銀クラスが二の舞。それでも、90年代の大幅な需給ギャップを埋めた日本モデルが定番という。確かに財政出動なしに手段がなかったのも事実。リチャード・クーと植草一秀が、もっともらしい論陣を張って後押し。最近、日銀総裁も間違っていなかったという。いなかったが、延命のほども定かでない。28日は■■■■■(****)と■■■■(****)が上がった程度。■■■■■■(****)が874円の引け。円高、金先物安、信用倍率12倍など投げが出た。黄金分割で計算すると、803〜785円が下値の目安に変わった。■■■■■■(****)の下値も注目している。シカゴのユーロ売りが買い戻される時、相場の転機。外資は売り叩いた■■■■■■(****)、■■■(****)など■■■■(****)のように料理することも考えられる。
日経平均は12円高。8593円の引け。出来高13億3700万株、売買代金7800億円。■■■■■(****)と■■■■■■■■■■■(****)を除けば取るに足りない相場。TOPIXが23日の安値を更新した。■■■(****)と■■■■(****)の下げがきつい。踏ん張らないと外資の餌食になる。人口が減るのに経済成長を取り戻すのは困難。これからは成長より雇用。成功事例に学び前例を踏襲しても無力。初めて迎える転機に従来の方法でうまくいくはずがない。戦後、GHQが日本復活の下地をつくった。表向き戦力を奪い無害化すること。もう一つ理想国家をつくるというもの。2度の大震災、初の原発事故で次の幕が上がろうとしている。(了凡)