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企業レポート

前期積み増し マキタ 5月30日 (2012.05.29)

在庫調整持ち越し一服
現地対応進み園芸機器に意欲

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マキタ(6586)は一服。4月27日の連結決算発表を境に小動き。見送られている。1Q在庫調整持ち越し。円高によるもので慎重な滑り出し。計画通りという。前期最高になった国内531億円(15%増)、アジア260億円(13%増)、その他新興国557億円(11%増)など在庫積み増しのポジション調整。前期末棚卸資産1295億円(17%増)に対応するもの。欧州が1232億円(6%増)と全体の4割を占め、円ユーロ107円(前期109円)の基準レートで持ち出し。北米は374億円(1%増)だが、円ドル81円(同79円)だけに勝手が悪い。6月17日ギリシャ再選挙後に混乱も予想されるが、前期連結円ドル7円、円ユーロで4円の円高となり差損21億5000円。税引前利益469億円の4.6%で驚くにあたらない。1円の変動でドル2億円、ユーロ6億円の影響という。本社・岡崎工場とマキタ沼津、7月のタイ立ち上げを含め世界9工場・8販売拠点体制。空白の中央アジアにも手を打った。現地対応が進み為替変動に左右されない体質になっている。前期2699万台。海外生産比率87.8%(直前期85.5%)。中国が65%を占めルーマニアが2位に成長。国内でも震災復興を巡り「日本製」が引っ張り凧。3割しか出回らず、今期545億円(3%増)の見込み。国内シェア40%、世界25%といわれるが、リーマンショック、震災後じわじわ上昇している。小型・軽量化、低騒音・振動、充電式など環境シフト。地域に密着した販売、メンテ、アフターサービスが強み。世界1兆円市場で米ブラック&デッカー、独ボッシュと並び3強の一角。前期連結でもリーマン前の売上高に対し86%、営業利益で72%戻した。次のターゲットが園芸機器。3兆円市場といわれ、01年旧富士ロビンと資本業務提携し、07年マキタ沼津(完全子会社)にステップアップ。前回述べたように、日進OPE開発・試験センター稼働が新たな手掛かり。小型4ストロークエンジンと排ガス規制対応同2ストロークエンジン搭載商品の開発を強化。充電式の電動工具にエンジン式園芸機器のラインナップ拡充。東京技術開発センター、ドルマー(ドイツ)、本社、マキタ沼津の連携が見もの。当初開発要員70人だが、経過により倍、3倍にする計画。現在、園芸機器の売上高が連結9%程度だけに面白い。2015年(創業100年)が最大の節目。次の100年が園芸機器といわれる所以。シェア10%で現在電動工具の連結売上高を上回るスケール。2012年後半から上昇運。来年揺り戻しも考えられるが5年続く盛運。芽を吹くとみられる。
2013年3月期(連結)は、売上高3015億円(2%増)、営業利益440億円(9%減)の税引前利益442億円(6%減)、純益300億円(8%減)の見通し。配当は中間15円、連結配当性向30%を目安に期末(前期57円)が決まる。設備投資140億円(前期134億円)の計画。国内23億円、海外117億円。豪州29億円、タイ21億円、中国10億円などインフラ更新が大半。償却78億円(同72億円)に対し、研究開発費85億円(同76億円)の伸びが大きい。天災、人災にかかわらず電動工具、園芸機器の伸びを見込んでいるもので、次の100年を目前に意欲がこもっている。障がい者雇用45人、高齢者再雇用160人もレギュラーである。29日、来年4月1日マキタ沼津を吸収合併すると発表した。

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