証券ビュー

企業レポート

びくともしない ダイセキ 5月22日 (2012.05.21)

物語る製造業の底力

中長期円高修正のトレンド

企業HPご案内 前回の企業レポート

ダイセキ(9793)は堅調。びくともしない。国内製造業の底力を物語るもので、震災、原発事故、円高など猛烈な逆風を吸収。取引先に呼応しリーマンショック前をうかがう水準。ピーク更新が視野に入った。親会社が3大都市圏を足場にじわじわシェアを上げる一方、連結子会社の環境ソリューション(1712)、MCR、システム機工など小回りの利く展開。相乗効果が狙いだ。前期の連単倍率は売上高1・52、営業利益1・05。環境ソリューションの連結子会社グリーンアローズ中部(廃石膏ボードのリサイクル)以来いい案件がないという。前期(連結)は前半上振れ、後半伸び悩んだ印象。混乱の中で増収増益を確保した。被災した自動車関連の回復が予想外に急ピッチ。電機関連はスマホを除き落ち込んだまま。円高が響き底をはっている。しかし、心配ないという。復興支援では、4月13日発表された環境ソリューションとタケエイ(2151)の提携強化が先行き楽しみ。環境ソリューションは2012、13年調整運。このため、両年の仕込みが16年(20周年)に生きてくる。設備投資は連結25億円(前期22億円)の計画。懸案の明石新工場は土地購入止まり。電機大手の調整の見合うもので将来2工場体制。全国6事業所との兼ね合いから関西事業所の反転なしに中期計画(2014年2月期=連結売上高450億円、営業利益93億円)の実現困難。グループ全体でも今年、来年の仕込みが将来を左右しそうだ。

2013年2月期(連結)は、売上高393億5000万円(8%増)、営業利益65億1000万円(13%増)、経常利益65億9000万円(12%増)、純益36億1000万円(13%増)の見通し。配当20円(中間10円)を据え置く予定。2、3月円安に振れ、4、5月反動に見舞われたが、中長期円高修正のトレンドに変わりない。欧米の不良債権を一時棚上げ。10年債利回りの金利裁定によるもので、日本の超低金利が円安要因になる。内需復興の呼び水。同社の場合、2015年(70周年)にかけてもうひと山。最高益更新が見込まれる。21日1301円で引けたが、事業推進が復興に貢献すると受け止めており6、7月反転待ち。1Q発表(7月12日)が注目される。円高修正のトレンドに戻ればしめたものだ。

 

 

>>購読ご案内