証券ビュー

企業レポート

新体制3期目 大宝運輸 5月15日 (2012.05.14)

反転のきっかけつかむ

純資産68億円に対し時価総額21億円

企業HPご案内 前回の企業レポート

 

大宝運輸(9040)は底練り。今、来期踏ん張りどころ。新体制3期目に入った。これまでリーマンショック吸収、大震災、原発事故、超円高など大荒れ。過去2年試行錯誤だったが、直近12本支店せり上がってきた印象。5期ぶり反転のきっかけをつかみそうだ。輸入自転車が月2万台を突破して採算に乗り始めたほか、地場スーパーの物流一括支援、本社営業部の道の駅「出店」など具体的な手掛かり。35年余り全人教育の賜物だが、成功体験とサラリーマン体質から脱皮できない面もあるという。2010年3月期に春日井、四日市、中川支店の減損6億5100万円計上しあく抜け。追って前期岡崎支店同3300万円で出尽くし。今期飲料が好調で4月飛び出し、5月一服の模様。依然決め手を欠いている。1920年、愛知県西尾市一色町の「大宝橋」で創業。戦前・戦後の混乱を乗り越えて51年設立。全国で初めて名古屋〜東京間の路線免許を取得。疾風のフロンティアがあった。大筋、2020年(創業100年)にかけて収束期。1923年が関東大震災だけになおさら。4月15日の全社講習会に381人(社員1050人)参加しているが、脱皮の糸口を探るためとみられる。計画を下回った前期の反省を込めたもので、労働条件の改定や車両の代替を控えた経緯から、原油先物安、円高修正、復興需要などビジネスチャンス。ピンチのあとにやってきた。

2013年3月期(非連結)は、売上高93億円(1%増)、営業利益3億6000万円(9%増)、経常利益同(5%増)、純益1億8000万円(20%増)の見通し。配当10円(中間5円)を据え置く予定。今、来期をモノにすると回り出す。そうなれば循環もよくなるはずだ。昨年上昇に転じ、今年安定運。前期6(直前期10)に改善した事故も反転の材料。例年8月早々の1Q発表が気になる。何しろ、純資産68億円に対し時価総額わずか21億円。配当、優待も評価され割安この上ない。実質無借金、自己資本比率76%と健全だけに安住感があることも事実。今、来期目を離せないところだ。

 

>>購読ご案内